
レアものから年代ものまで、毎回様々なテーマを絞り込みセレクトしたシノワワイン会のご案内です。
お好きなお時間にご来店していただき、それぞれのテーブルでご自由にお楽しみください。
但しワインは
17:30
に抜栓します。

〜偉大な村の至高のシャトー〜
第1弾!年末スペシャルワイン会

2009 Les Forts de Latour(Pauillac)
2009 レ・フォール・ド・ラトゥール(ポイヤック)
2006 Chateau Latour(Pauillac)
2006 シャトー・ラトゥール(ポイヤック)
1996 Chateau Latour(Pauillac)
1996 シャトー・ラトゥール(ポイヤック)
1985 Chateau Latour(Pauillac)
1985 シャトー・ラトゥール(ポイヤック)
1975 Chateau Latour(Pauillac)
1975 シャトー・ラトゥール(ポイヤック)
1961 Chateau Latour(Pauillac)
1961 シャトー・ラトゥール(ポイヤック)
1957 Chateau Latour(Pauillac)
1957 シャトー・ラトゥール(ポイヤック)
2023年度の年末スペシャルワイン会第1弾は、ボルドー5大シャトーで最も革新的かつ安定しているシャトー・ラトゥールにフォーカスし、66年間に及ぶ熟成の変化をヴァーティカル(垂直)に楽しむ1日です。革新的と言えるのは、2011年にボルドー特有のプリムール市場から脱退し、2018年に1級シャトーで唯一オーガニック認証を取得しヴィオディナミに移行、さらに生物多様性の促進やマルチング(被膜栽培)など、実験的な取り組みも始めていること。安定とは、ジロンド川に近く霜や厳しい寒気から守られている優れたテロワールに起因し、オフヴィンテージでさえも常に質の高いワインを生み出していること。1815年の記述には「ラフィットは繊細で、ラトゥールは色が濃くてフルボディ、マルゴーはその中間で安定した品質だが時に硬い」と、200年以上前から現在と同じ評価をされていることからも、シャトーの本質が分かります。
さて本日のスタートはセカンド・ワインの2009年レ・フォールから。過去最高の出来で、普通のヴィンテージのラトゥールであれば明らかに凌駕する驚愕の仕上がり。それに続く2006年から約半世紀の時を遡ります。2006年は2005年に隠れた優れたヴィンテージで、2000年代で最も開いていて、柔らかくしなやかな中にも品格とおおらかさが感じられます。1996年は緻密で知的なワインが出来上がった年。高い純度のミネラルと酸味が一体化し、凄まじい集中力と透明感が際立った極めて完成度の高い作品です。それは極限まで磨き抜かれた芸術品とも言える傑作。1985年はラトゥールがなぜか不調だった80年代の作で、いつもならスケール感と凝縮感が高いレヴェルで融合するこのシャトーとしては、小ぶりで可愛らしい出来です。しかし、テロワールははっきり感じられ、バランスは絶妙、するする飲める美味しさも備わり、普段と違う側面が見え隠れする興味深いヴィンテージです。1975年は巷では良年と言われていますが、筋肉質でタンニンも豊富、骨格のある硬いワインができた年。しかしながらラトゥールは5大シャトーの中ではベストの出来栄えで、香りはすでに熟成香に溢れ、パワフルさと旨味が融合し、タンニンも甘く上質、偉大さも感じられます。そして本日のメイン、20世紀の100年間のなか、ボルドーで造られた最高のヴィンテージ1961年へと続きます。このとてつもないモンスターワインはボルドーマニアだけでなく、全てのワインファンに体験していただきたい究極の1本。マイケル・ブロードベントは5星評価の6星(他には1870年ラフィット、1945年ムートン、1947年シュヴァル・ブランなど数例)を与え、ロバート・パーカーも当然のように100点を献上しています。このあまりにも密度が高い夢のワインが本日のクライマックスです。全神経を集中し、五感を研ぎ澄まして体感してください。残るは1957年。1961年がまだまだ若々しいのに対し、完全に成熟し、絶頂期の高原状態に今もあります。この人間が創造した最も気高くも美しい液体でフィナーレをお迎えください。
ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。

~究極のネクターへ 50年の時を楽しむ~
【唯一無二!ドン・ペリニヨンの熟成マジック】

1998 Moet & Chandon Grand Vintage(Epernay)
1998モエ・シャンドン・グラン・ヴィンテージ(エペルネ)
2013 Dom Perignon(Epernay)
2013ドン・ペリニヨン(エペルネ)
2008 Dom Perignon(Epernay)
2008ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1996 Dom Perignon(Epernay)
1996ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1990 Dom Perignon(Epernay)
1990ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1973 Dom Perignon(Epernay)
1973ドン・ペリニヨン(エペルネ)
シャンパーニュ地方のオーヴィレール修道院の修道僧、ドン・ピエール・ペリニヨン(1638-1715)の登場により、その歴史が始まったシャンパーニュ。フランスのブドウ栽培の北限にあるため、冬の寒さで発酵が止まり、春を迎え二時発酵が起こり、自然に炭酸ガスを含んだ泡立つワインが出来上がりました。当時樽で保存されていた泡立つワインを、ドン・ピエール・ペリニヨンは瓶詰めすることにより今のシャンパーニュの原形を生み出したのです。イギリスから丈夫な瓶を探し出し、スペイン製のコルクを調達し、黒ブドウから白い果汁を抽出し、さまざまな畑のブドウを巧みにブレンドするなど、質の高いワインの製造も同時に行いました。瓶をあけた瞬間に吹き出る泡、当時では、もちろん今でさえロマンを感じさせるシャンパーニュが、すぐにヨーロッパの宮廷でもてはやされたのは想像に難くありません。
さて、本日はドン・ペリニヨンの50年の熟成の時を巡るヴァーティカル(垂直)テイスティングをお楽しみいただきますが、まずはその弟分とも言うべき、四半世紀の時を経たグラン・ヴィンテージの1998年からスタートします。その後に続くドン・ペリニヨンは全て当たり年のラインナップでお届け致します。
トップは2013年。ブルゴーニュのハズレ年はシャンパーニュの当たり年、それをそのまま体感させてくれます。シャンパーニュは酸味とミネラルが肝で、その骨格を形成します。距離的に近いブルゴーニュの温暖な年は、シャンパーニュでは酸味が弱く輪郭の緩い年になってしまいます。この年はラグジュアリーさをも感じられる、しなやかで柔らかく完全な調和が生まれた年。続く2008年は近年最高のヴィンテージで、まだまだ若々しく新鮮さを保っていますが、熟成のニュアンスも出始めています。膨大なミネラルと切れ味抜群の酸味、それを支える豊かな果実味が渾然一体となる、完全無欠の液体です。1996年は2008年に近いタイプながら、さらに12年熟成したことにより、完成に近づいています。高い熟度と膨大な酸味、ミネラルの、内向的ですが恐ろしく集中している緻密なヴィンテージ。品格の高さ、美しさでは並ぶものがありません。1990年は退廃的な魅力を含んだヴィンテージで、有無を言わせぬ迫力と肉厚でジューシーなスケール感がとてつもない。内向的な1996年に対して、外交的で溢れんばかりの魅力を感じさせる偉大な年で、誰をも美味しいと感じさせるパーフェクト・ヴィンテージ。1973年は70年代最高の3つのヴィンテージの一角で、すでに発泡は弱いですが、豊かな滋味と旨味に溢れ、身体に染み渡ります。静謐でありながら雄弁、無駄なものを省いた洗練された美しさ。そこはシャンパーニュの行き着く所、終着点です。この熟成の魔法を知ってこそのシャンパーニュ・ラヴァー。二度とできないラインナップです。
ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。

~シャンボール・ミュジニー・コンプリート~
【優美で可憐な魅惑のシャンボール!】

2006 Chambolle Musigny(Vogue)
2006 シャンボール・ミュジニー(ヴォギュエ)
2006 Chambolle Musigny(G.Roumier)
2006 シャンボール・ミュジニー(ジョルジュ・ルーミエ)
2009 Chambolle Musigny Les Fousselottes(G.Pansiot)
2009 シャンボール・ミュジニー・レ・フスロット(ジャンテ・パンショ)
2007 Chambolle Musigny Les Baudes(G.Barthod)
2007 シャンボール・ミュジニー・レ・ボード(ジスレーヌ・バルトー)
2005 Chambolle Musigny Aux Beaux Bruns(D.Mortet)
2005 シャンボール・ミュジニー・オー・ボー・ブラン(ドニ・モルテ)
2000 Chambolle Musigny La Combe d`Orveaux Vieille Vignes (P.Milot))
2000 シャンボール・ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォー・ヴィエーユ・ヴィーニュ(ペロ・ミノ)
2007 Chambolle Musigny Les Amoureuse(R.Groffier)
2007 シャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズ(ロベール・グロフィエ)
2006 Musigny(J.Drouhin)
2006 ミュジニー(ジョセフ・ドルーアン)
まずは、2006年の村名2種を、ヴォギュエとルーミエというシャンボールマニア垂涎の2大生産者で飲み比べ。この年は果実味豊かで現在飲み頃に入っている、ブルゴーニュらしい素晴らしいヴィンテージです。同時に飲み比べると、シャンボールの特徴と造り手の個性が浮き彫りになります。
続いてプルミエ・クリュが5つ並びます。「レ・フスロット」は、村の集落のすぐ下に位置する比較的肥沃な土壌で、できるワインもシャンボールらしい繊細さとボディの厚みのあるスタイル。ジャンテ・パンショはジュブレ村に3代続くドメーヌで、豊潤な2009年のヴィンテージの恩恵も受け、旨味ののったスケールの大きな味わい。
「レ・ボード」は現在この村を代表する生産者と言っても過言ではないジスレーヌ・バルトーの作で、9つのプルミエ・クリュの畑を有している、この村のスペシャリスト。ブルゴーニュ屈指の女性醸造家としても有名です。この畑はボンヌ・マールに向かい合う位置にあり、この村のワインとしては力強く厚みのあるタイプになります。
「オー・ボー・ブラン」は赤土の混ざった肥沃な土壌で、シャンボールらしい繊細さと豊かさを併せ持つ畑。生産者は2007年に亡くなった先代の故ドニ・モルテで、シャンボール村に唯一所有している畑です。そのゴージャスで重量感のある造りには熱狂的なファンが多数いて、当時はカルト的な人気を誇っていました。本日は2005年のビックヴィンテージをご用意しています。
「ラ・コンブ・ドルヴォー」はグラン・クリュのミュジニー、クロ・ヴージョ、エシェゾーに隣接したこの村きってのプルミエ・クリュ。標高の高さゆえ、ミネラリーで洗練された、シャンボールのイメージ通りのワインができます。畑の大半はプルミエ・クリュですが、一部はグラン・クリュと村名格に別れています。徹底的な選果と発酵前の低温浸漬というアンリ・ジャイエから忠実に引き継いだ技法で造られたこのワインは、23年間を経過し、充分な飲み頃に入っています。
「レ・ザムルーズ」はブルゴーニュ随一の人気の畑で、かつ最もグラン・クリュに近いと言われています。その価格はボンヌ・マール以上で、多くのドメーヌでは試飲順もボンヌ・マールの後に出てきます。畑はミュジニーの真下に広がり、斜面の傾斜が穏やかなため、ミュジニーより柔らかくしなやかで、究極のシャンボール的華やかな味わい。本日のワイン会のタイトル“優美で可憐な魅惑的”がそのまま表現されています。ロベール・グロフィエはこの畑最大の所有者であり、畑の位置も斜面上部の最良区画です。除梗はヴィンテージにより変え、発酵温度をギリギリまで高くするのがこのドメーヌの流儀。濃密で艶のある造りで、クラシックなスタイルの2007年産。
「ミュジニー」は数あるブルゴーニュのグラン・クリュの最高峰の一つで、その別格の煌めきは宝石に例えられます。歴史も古く、1110年にシトー派の修道僧が開墾したもの。巷でよく言われる“ビロードの手袋をした鋼の拳”という表現がありますが、これは並外れたミネラルと鋭利な刃物を思わせる酸味からきていると思います。そこに豊かな果実味と、極限まで昇華した魅惑的な香り、内面的な美しさ、輝きが一体化し、どこにもない唯一無二の魅力がブルゴーニュファンを虜にします。造り手はドメーヌとネゴスを幅広く展開するジョセフ・ドルーアン。ブルゴーニュ好きはどうしても小規模ドメーヌを最上としますが、この造り手は侮れません。近年のドルーアンの造るミュジニーの圧倒的な価格の値上がりをみても、その評価は証明されています。どこまでも華やかでしなやか、美しく品格に溢れ、芯の強さもある、ドルーアンはそのようなワインを造り上げています。ぜひご期待を!そしてお見逃しなく。スタッフ一同、皆様のご参加をお待ちしています。

~ニュイ・サン・ジョルジュ村~
【グラン・クリュ不在の不思議な村】

2012 Nuits Saint Georges La Richemone Vignes Centenaires Cuvee Ultra(Perrot Minot)
2012 ニュイ・サン・ジョルジュ・ラ・リシュモーヌ・ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラ(ペロ・ミノ)
2011 Nuits Saint Georges Aux Murgers(S.Cathiard)
2011 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ミュルジュ(シルヴァン・カティアール)
2006 Nuits Saint Georges Les Chaignots(R.Chevillon)
2006 ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・シェニョ(ロベール・ シュヴィヨン)
1999 Nuits Saint Georges Aux Perdrix(Perdrix)
1999 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ペルドリ(ペルドリ)
1995 Nuits Saint Georges Aux Boudots(M.Camuzet)
1995 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ブドー(メオ・カミュゼ)
1985 Nuits Saint Georges Clos de l`Arlot(P.Misserey)
1985 ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・ド・ラルロ(ポール・ミセレ)
1985 Nuits Saint Georges Les Vaucrains(H.Gouges)
1985 ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ヴォークラン(アンリ・グージュ)
1976 Nuits Saint Georges Aux Murgers(Cathiard.Molinier)
1976 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ミュルジェ(カティアール・モリニエ)
まずは、2012年ペロ・ミノの「ラ・リシュモーヌ」・ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラ。1973年に現当主クリストフの父アンリがドメーヌを設立。アンリ・ジャイエから薫陶を受けた現当主クリストフにより、一躍トップドメーヌの一員となりました。リシュモーヌは、ニュイ・サン・ジョルジュ村の北側に位置する畑で、ヴォーヌ・ロマネの歴史にその名を残すペルナン・ロサンが、ペロ・ミノに託した伝説の畑です。ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラは、1902年に植樹された区画から造られており、100年を超える古木から造られる、グラン・クリュ並の力強さ、優雅さ、余韻の長さを備えた素晴らしいワインです。
続く、2011年シルヴァン・カティアールの「オー・ミュルジュ」は、カルト的な人気を誇り、探してもでも飲むべき生産者と言われているドメーヌです。1930年代に祖父が設立し、1969年に父親が引継ぎ、2011年からは、現当主のセバスチャンが後を継ぎ、現在に至っています。1980年代から父のアンドレとともに働きはじめ、ドメーヌの品質をブルゴーニュの最上位レベルにまで引き上げました。畑はヴォーヌ・ロマネ側の緩い斜面にあり、ニュイ・サン・ジョルジュらしい深みや濃厚なニュアンスのある、ブルゴーニュの模範的な畑とされていています。
2006年ロベール・ シュヴィヨンの「レ・シェニョ」は、この村最良のドメーヌで、現在はロベールの二人の息子、ベルトランとドゥニが運営に当たっています。その実力はルソーやルーミエと肩を並べるほどで、偉大なドメーヌでありながら、価格は半額以下と、超お値打ちのドメーヌです。ヴォーヌ・ロマネ村側に位置する1級畑。
ここからは偉大なヴィンテージが続きます。1999年ドメーヌ・ペルドリの「オー・ペルドリ」は、アントナン・ロデの社長を努めていたベルトラン・ド・ヴィラールが1996年に設立しました。醸造家には、ジャック・プリュールなどを手がけ、フランスのワイン誌「ラ レヴュー ド ヴァン ド フランス」にて女性初の最優秀醸造家に輝くなど高い名声を誇る醸造家ナディーヌ・ギュブランを採用し、瞬く間にトップドメーヌの仲間入りを果たしました。ドメーヌと畑の名前でもあるペルドリは、エチケットにヤマウズラが描かれています。ペルドリはこの畑を99%所有している最大の所有者。
1995年メオ・カミュゼの「オー・ブドー」は、アンリ・ジャイエの薫陶を今に受け継ぐ名門ドメーヌです。1959年当時ジャン・メオは、ドメーヌの管理をするわけにはいかない状況にあり、畑を折半耕作の形で小作人に任せ、出来上がったワインは樽のまま売られていました。この時の小作人でドメーヌのワインを手がけていたのが、ブルゴーニュの神様、アンリ・ジャイエです。オー・ブドーはヴォーヌ・ロマネ村に隣接した畑で、華やかなアロマと肉付きの良いボディが魅力のワインです。
1985年ポール・ミセレの「クロ・ド・ラルロ」は、1859年に設立したワイン商で、ルイ・マックス社の傘下。フランス国内でも殆ど流通が無く日本への入荷は希少です。何といっても、このワインの凄いところは、あの有名なドメーヌ・ド・ラルロが単独所有している畑クロ・ド・ラルロの偉大な1985年を、ルイ・マックス社が秘蔵・所有していたところでしょうか。
1985年アンリ・グージュの「レ・ヴォークラン」の創始者アンリは、原産地呼称制度の発展に生涯をかけた人。1930年代までのブルゴーニュでは、フェイクワインが横行し、ローヌ産のワインまでもが高名な村名をまとったボトルに化けていました。ワインは樽で売買されるのが商慣行で、それから先の品質は良くも悪くもネゴシアン次第、そうした事態に対し悠然と立ち向かったのが、マルキ・ダンジェルヴィルやアンリ・グージュです。それにより自らワインを瓶詰めする、ドメーヌ元詰のワインが誕生しました。1級畑レ・ヴォークランは、ニュイ・サンジョルジュ村の中央に位置する畑で、肉付きの良い果実味と、レースのように滑らかな舌触りのタンニンが魅力の素晴らしいテロワール。
トリは、市場では滅多にお目にかかることのできないカリスマ醸造家としてその名を馳せた1976年カティアール・モリニエ「オー・ミュルジェ」です。カティアール・モリニエは、シルヴァン・カティアールの祖父アルフレッドが1930年に設立したドメーヌで、お爺ちゃんと孫が造った同じ畑の、35年の年月の軌跡を味わっていただきます。二度と無い機会です。どうぞお見逃しなく。スタッフ一同、皆様のご参加をお待ちしています。
定員 13名様 お一人様より承ります。

~ブルゴーニュ編1990年~
【20世紀偉大なヴィンテージ 1990年】

1990 Chassagne Montrachet Abbay de Morgeot(F.Larose)
1990シャサーニュ・モンラッシェ・アベイ・ド・モルジョ(ドメーヌ・フルーロ・ラローズ)
1990 Volnay Champans(M.d'Angerville)
1990ヴォルネー ・シャンパン(マルキ ダンジェルヴィル)
1990 Pommard Grand Epenots(F.Gaunoux)
1990ポマール・レ・グラン・ゼプノ(フランソワ・ゴヌー)
1990 Nuits Saint Georges Les Saint Julien(M.Chevillon)
1990ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・サン・ジョルジュ(ミッシェル・シュヴィヨン)
1990 Vosne Romanee Les Malconsorts(Clos Frantin)
1990ヴォーヌ・ロマネ・レ・マルコンソール(クロ・フランタン)
1990 Echezeaux(F.Lamarche)
1990エシェゾー(フランソワ・ラマルシュ )
1990 Chambolle Musigny(G.Roumier)
1990シャンボール・ミュジニー(ジョルジュ・ルーミエ)
1990 Bonne Mare(L.Jadot)
1990ボンヌ・マール(ルイ・ジャド )
9月第2弾は、南のシャサーニュ・モンラッシェ村から北上し、モレ・サン・ドニ村に辿り着くルートで攻めてみたいと思います。
まずはフルーロ・ラローズのシャサーニュ・モンラッシェ・アベイ・ド・モルジョから出発。現在は4代目当主のニコラ・フルーロと日本人の奥様・久美子さんが家族とともに運営しています。その住まいはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのオーナーがワイン貯蔵庫として建てた城館で、2018年9月9日には日本から皇太子殿下も訪問した名門です。1級畑「アベイ・ド・モルジョ」は、モンラッシェの南に位置する、シャサーニュ屈指の区画で、畑はシトー派の大修道院の周りを囲むように存在しています。
続くマルキ・ダンジェルヴィユは、約200年に渡りワイン造りを行っている老舗ドメーヌです。“偉大なワインはブドウの収量を制限した収穫から生まれる”という理念に基づき、1株につき6房のみの凝縮したブドウを栽培しています。「シャンパン」は石ころが多く、水捌けに優れ、ラズベリー、ダークチェリーなどの果実香のある口当たり柔らかでスムースな喉越し。シルキーなタッチはこれぞヴォルネイと言えます。
フランソワ・ゴヌーはアンリ・ゴヌーという優れたブドウ栽培家の一族から、1972年に相続により2つのドメーヌに分割されました。1つがムルソー村に本拠地を置くフランソワ・ゴヌーで、もう1つが古典的ワイン生産者として知られ、ポマールに本拠地を置くミシェル・ゴヌー。1級畑「レ・グラン・ゼプノ」は、ポマールらしい肉厚で筋肉質なアスリート体型。豊かな果実味と透明感のあるピュアな酸が奏でる、上質な余韻が魅力です。
ミシェル・シュヴィヨンは、1987年に父親のジョルジュからドメーヌを引き継いだ、名門シュヴィヨン一族で、有名なロベールの従兄弟です。畑はヴォーヌ・ロマネ側の村名畑名付き「オー・サン・ジュリアン」で、ニュイ・サン・ジョルジュの牧歌的で親しみやすく暖かい、そんなイメージ通りの味わいです。
クロ・フランタンは、1969年よりアルベール・ビショー社の傘下となり、特級畑を中心に合わせて13haの自社畑を所有しています。「レ・マルコンソール」はドメーヌ物で、ラ・ターシュの南に隣接し、ヴォーヌ・ロマネ最良の1級畑。豊かなボディと気品溢れる骨格、パワフルかつエレガントなバランスのよさ、豊かな果実の香りと調和のとれた長い余韻をもつ偉大なワインです。
フランソワ・ラマルシュは1740年から5代続く名門ドメーヌで、ロマネ・コンティとラ・ターシュの間に位置するモノポールの特級畑ラ・グラン・リュを単独所有するドメーヌとしても有名です。ラマルシュの「エシュゾー」は、異なる3区画のブドウをブレンドし、その異なる個性が合わさることにより、絶妙なバランスを表現した複雑味溢れるスタイルを有しています。
ジョルジュ・ルーミエは1924年創業で、この村に収まらずブルゴーニュ全体を代表するスーパー・ドメーヌです。1982年に参画し1992年に全てを任された現当主クリストフが、その評価を確立させました。本日ご用意した「シャンボール・ミュジニー」1990年は、父ジャン・マリとの共作。村名物とはいえ30年以上を経たルーミエのワインを飲む機会は貴重です。
本日のルートの最終地点はモレ・サン・ドニ村。ルイ・ジャドはブルゴーニュ屈指のドメーヌ兼ネゴシアンで、「ボンヌ・マール」はドメーヌを代表する特級畑です。モレ・サン・ドニ村とシャンボール・ミュジニー村にまたがる絶好の場所に位置する畑で、力強くしなやかで優しい、という両村の良さを兼ね備えたワインです。畑の名前は諸説ありますが、ルイ・ジャドの天才醸造家として名高いジャック・ラルディールによれば“妖精をあらわす古語”との事。まさに30年の眠りから目覚めたピノ・ノワールの妖精の、優雅で煌びやかで芯のある、豊かな果実味を味わって下さい。
ブルゴーニュを南から北へと巡る小旅行を楽しむ一日。それも至極の1990年物で。どうぞゆったりお楽しみください。

~ボルドー右岸編1990年~
【20世紀偉大なヴィンテージ 1990年】

1990 Vieux Chateau Certan(Pomerol)
1990 ヴィユー・シャトー・セルタン(ポムロール)
1990 Chateau L`Evangile(Pomerol)
1990 シャトー・レヴァンジル(ポムロール)
1990 Chateau Troplong Mondot(St.Emilion)
1990 シャトー・トロロン・モンド(サン・テミリオン)
1990 Chateau Tertre Roteboeuf(St.Emilion)
1990 シャトー・テルトル・ロートブッフ(サン・テミリオン)
1990 Chateau Beausejour Duffau Lagarrosse (St.Emilion)
1990 シャトー・ボーセジュール・デュフォー・ラガロース(サン・テミリオン)
1990 Chateau Figeac(St.Emilion)
1990 シャトー・フィジャック(サン・テミリオン)
1990 Chateau Ausone(St.Emilion)
1990 シャトー・オーゾンヌ(サン・テミリオン)
9月第1弾は、最もメルロ種が輝くボルドー右岸を巡る一日。
まずは「ヴィユー・シャトー・セルタン」から出発します。ポムロールで最も古いシャトーの1つで、ペトリュス、レヴァンジル、ラ・コンセイヤントと言った名だたるシャトーが集まるこの村の心臓部に位置しています。当主のアレクサンドルはティアンポン家の一族の一人で、ル・パンのジャック・ティアンポンとも従兄弟の関係。戦前はペトリュスよりも評価が高く、この村の最高峰に位置していました。アレクサンドルが継承した1986年以降完全復活し、かつての栄光を取り戻しています。90年は完全に飲み頃で、品格の高さが素晴らしい!
続く「シャトー・レヴァンジル」は、北をラ・コンセイヤント、ヴィユー・シャトー・セルタン、ペトリュス、南をシュヴァル・ブランに隣接する、ポムロールきってのテロワール。そして5大シャトー筆頭のラフィットを所有するドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドが1990年からオーナーになり、多額の投資と厳しい管理を実施したことですます品質が向上しています。スケールが大きく骨格のしっかりした凝縮したワインから、濃厚でまろやかでありながら品格ある優雅さと繊細さも感じさせるスタイルへと進化しています。90年は完全な成功を収めた完璧なワインです。
「シャトー・トロロン・モンド」は、2006年のサン・テミリオン格付け見直し時、第1特別級Bに昇格を果たしたシャトーです。クリスティーヌ・ヴァレットが父親からシャトーを受け継ぎ、亡くなった現在は後継者不在のため大手保険会社に売却。ヴァレット家はヴィユー・シャトー・セルタンのジョルジュ・ティエンポンから購入していて、その関連性も面白い。PP99を獲得した伝説の1990年で評価を確立し、2000年代に入ってからも進化を続けています。「もう一度90年のような年が来れば良いと思っているが、残念ながらそうはいかない」と言わせた最高傑作。
シャトー・テルトル・ロートブッフは、サン・テミリオンの最上のパーセルとされる南西斜面に6ヘクタールを所有する小規模シャトーで、芸術と哲学を愛するフランソワ・ミジャヴィルが、1977年に義父から継承しています。オーガニック栽培で葡萄をギリギリまで完熟させ、発酵もコントロールせず35度に達するという、自然任せの昔の技法で造られたワインは、圧倒的なスケールと、同時に純粋さも併せ持っています。そして90年はこのシャトーの金字塔とも言える、凄みさえ感じさせる偉大な出来です。
「シャトー・ボーセジュール・デュフォー・ラガロース」は、サン・テミリオンの石灰岩のプラトー(台地)に位置する最高の立地で、1847年からデュフォー・ラガロース家が所有しています。単に「シャトー・ボーセジュール」と呼ばれることもあり、近年さらに評価を高めているサン・テミリオンで最も注目のシャトーです。もともとテロワールに優れていたとはいえ、それまでパッとしないワインばかりを造っていたこのシャトーが、90年に突然驚くべきワインを造り世界中を驚嘆させたのが、本日ご用意したワインです。時のロバート・パーカーに“現代の偉大なボルドーの伝説の1つ”と言わしめ、何度も100点を更新しています。その驚嘆すべき奇跡のワインが登場します。
「シャトー・フィジャック」は、迷走しているサン・テミリオンの格付け制度とは言え、2022年ついに念願の第1特別級Aに昇格しました。テロワールの素晴らしさは誰もが認めていて、それはシュヴァル・ブランがかつてフィジャックの畑の一部であった事で証明されています。シュヴァル・ブランより砂利質が多いため、砂利を好むカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が極めて高いことがフィジャックの味わいの決め手となっています。本来のテロワールの実力を発揮する前の時代のワインとはいえ、90年という最良の年の恩恵を受け、その魅力は十分に感じられる、気品に満ちた美しい味わいです。
トリを飾る「シャトー・オーゾンヌ」は、ボルドー8大シャトーに数えられ、いまやペトリュスを凌ぐ入手困難度と高評価を得るシャトーです。その理由の1つは畑の面積がわずか7haしか無いこと。これはシュヴァル・ブランのわずか5分の1、ペトリュスの3分の2という小ささです。サン・テミリオンのプラトーに位置し、ボルドー右岸最高のテロワールと言われているこのシャトーを、1997年に継承したアラン・ヴォーティエが完全に蘇らせました。世界中のワインで最も厳しく、内向的で知的、精神的な美しさを有するワインとなる以前の作とはいえ、やはり90年の圧倒的な美味しさを感じさせる素晴らしさ。退廃的なメルロとは真逆ですが、このシャトーがメルロの到達したもう一方の究極です。
この貴重なワインを体験できるのは、シノワのゲストの方の特権です。スタッフ一同ぜひご参加をお待ちしています。

~限りなくグランクリュ!コート・サン・ジャックの実力~
【極みの1級畑/ジュブレ・シャンベルタン村編】

2011 Gevrey Chambertin Les Cazetiers (O.Bernstein)
2011 ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カゼティエ(オリヴィエ・バーンスタイン)
2006 Gevrey Chambertin Clos St.Jacques (B.Clair)
2006 ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック(ブリュノ・クレール)
2005 Gevrey Chambertin Lavaux St.Jacques (D.Mortet)
2005 ジュヴレ・シャンベルタン・ ラヴォー・サン・ジャック(ドニ・モルテ)
2004 Gevrey Chambertin Lavaux St.Jacques (C.Dugat)
2004 ジュヴレ・シャンベルタン・ ラヴォー・サン・ジャック(クロード・デュガ)
2002 Gevrey Chambertin Clos St.Jacques (S.Esmonin)
2002 ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック(シルヴィ・エスモナン)
2000 Gevrey Chambertin Les Cazetiers (Serafin)
2000 ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カゼティエ(セラファン)
1999 Gevrey Chambertin Combe Aux Moines (Fourier)
1999 ジュヴレ・シャンベルタン・コンブ・オー・モワンヌ(フーリエ)
1996 Gevrey Chambertin Clos St.Jacques Vieille Vignes(Fourier)
1996 ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック ヴィエイユ・ヴィーニュ(フーリエ)
今回は「極みの1級畑/ジュヴレ・シャンベルタン編」と題し、村の北部に位置するコート・サン・ジャック(サン・ジャックの丘)に集中する、11ある1級畑の中の最良の4つの畑にフォーカスして、その実力を探ります。標高が高くラヴォー背斜谷の背後にあるため冷涼な風が吹き抜け、南〜東向き斜面のため日当たりが極めて良いという2つの要素がテロワールを形成します。豊かな果実味とクリアな酸味が高い次元で融合している、それがコート・サン・ジャックの本質です。
まずはアンリ・ジャイエの下で研修をした経歴を持つ、オリヴィエ・バーンスタインの「レ・カズティエ」からスタートします。最高の区画と樹齢の高いブドウの樹、特に1級畑と特級畑にフォーカスしたミクロ・ネゴスの最高峰。ブルゴーニュの新世代ネゴシアンとして、数多くのジャーナリストから高く評価されています。レ・カズティエは、日照に恵まれた畑で、エネルギッシュな果実味ときめ細かく濃厚なタンニンが前面に出た、力強く複雑味に満ちたスタイル。樹齢は60年から80年のものです。
続くブリュノ・クレールの「クロ・サン・ジャック」は、今はなきクレール・ダユを引き継ぎ、今日では大ドメーヌに発展した生産者。わずか5人の所有者しか存在せず、エレガントで繊細な、唯一無二の個性を有した畑です。特級畑を上回る評価を受けることも多い、グランクリュに最も近い卓越したテロワール。
ここからドニ・モルテとクロード・デュガの「ラヴォー・サン・ジャック」が続きます。この畑はクロ・サン・ジャックに隣接する南向き斜面で、ストラクチャーとエレガントな酸味が見事に調和し素晴らしいバランスのとれたワインになります。ドニ・モルテの当主のアルノー・モルテは、メオ・カミュゼとドメーヌ・ルフレーヴで研修し、13歳の頃からすでに父の手伝いをして働いていた生粋のブルギニヨン。クロード・デュガはカルト的人気を誇るトップドメーヌ。2005年は当たり年で2004年は涼しい年、この比較もお楽しみください。
そして2002年「クロ・サン・ジャック」は、女性ヴィニュロンとして名高いシルヴィ・エスモナン作。祖父はかつてクロ・サン・ジャックの畑の単独所有者であったムシュロン伯爵のもとで働いており、その際に畑の一部を購入したとの事。エスモナンの区画は最も北に位置し、有機農法で耕作され、低収量で、パートナーのドミニク・ローランの新樽で熟成されます。
そして「レ・カズティエ」はグランクリュのシャンベルタンやクロ・ド・ベーズより標高で50m以上高く、急斜面で東向き。きめ細かくエレガントで複雑という、洗練さと緻密さを兼ね備えた素晴らしい畑です。生産者はパーカー5ツ星で、この村屈指のスター・ドメーヌとなったセラファン。父のクリスチャンの時代に発展し、今は娘のカリーヌと姪フレデリックが2人で運営しています。ブリュノ・クレール曰く、「クロ・サン・ジャック」と「カズティエ」を並べて試飲するのは、殊の外興味深いとの言。お楽しみください。
トリは、ブルゴーニュで最も入手困難な超人気生産者、フーリエの1999年「コンブ・オー・モワンヌ」と1996年「クロ・サン・ジャック」です。1928年に植樹した「コンブ・オー・モワンヌ」と、1910年に植樹したクロ・サン・ジャックはどちらも超ヴィエイユ・ヴィーニュ。その高い樹齢のためブドウは豆粒ほどの実しかつけないとのこと。当主のジャン・マリーはアンリ・ジャイエで修行後、1994年にドメーヌを引き継ぎ、一代でこのドメーヌをブルゴーニュ最良へと育て上げました。ヴィンテージは最高、畑も最高、造り手は超一流、さらに長期熟成も経て、皆様の前にお届けいたします。
ジュヴレ・シャンベルタン村の極みの1級畑の魅力をたっぷり堪能できる一日。スタッフ一同ぜひご参加をお待ちしています。

~ムルソー村のテロワールを再考~
燦く金色の雫!

2018 Meursault Porusot(Roulot)
2018 ムルソー・ポリュゾ(ルーロ)
2018 Meursault Clos des Boucheres(Roulot)
2018 ムルソー・クロ・デ・ブシェール(ルーロ)
2018 Meursault Charmes(Roulot)
2018 ムルソー・シャルム(ルーロ)
2012 Meursault Perrieres (de Monteille)
2012 ムルソー・ペリエール(ド・モンティーユ)
2005 Meursault Perrieres (Ch.de Puligny Montrachet)
2005 ムルソー・ペリエール(シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ)
2002 Meursault Charmes-Dessus(M.Bouzereau)
2002 ムルソー・シャルム・ドゥスェ(ミシェル・ブーズロー)
2001 Meursault Santenot(M.d'Angerville)
2001 ムルソー・サントノ(マルキ・ダンジェルヴィーユ)
2000 Meursault Genevrieres(C.Lafon)
2000 ムルソー・ジュヌブリエール(コント・ラフォン)
まずは2018年のルーロの3つの畑の飲み比べからスタートします。ジャン・マルク・ルーロが1982年に跡を継ぎ、実作業は1988年に始めたこのドメーヌですが、年々評価が高まり、ジャン・フランソワ・コシュとドミニク・ラフォンが引退した今、この村の頂点に立っていると断言できます。純度、鮮度、明確さ、クリーンさを極限まで追求した理想の造りを体現しています。
ルーロほどエレガントで美しく、ムルソーらしいしなやかな肉付きのワインは今までなかったでしょう。その価格もあっという間に上昇し大変なことに。最上級の香水以上に香り高く、このうえなく純粋で、滑らかでシルクを超える舌触り。
「ポリュゾ」「クロ・デ・ブシェール」「シャルム」3つの畑でルーロの素晴らしさを体感していただきます。
続いてエティエンヌ・ド・モンティーユが造ったムルソー最上畑「ペリエール」の飲み比べです。2001年からドメーヌの当主となり、シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェの経営にも就いたエティエンヌは、その造りをヴィオディナミ、全房発酵と進化させ、しなやかでシルキーなワインを目指し、そして造っています。「ペリエール」の名前は石切り場に由来しミネラルに富み、東南東向きの理想的な日照による豊潤さも加わり、別格1級との評。
一緒に醸造をしていた妹のアリックスはジャン・マルク・ルーロに嫁いだというブルゴーニュらしい関係性も面白い。なお、2016年より函館にド・モンティーユ&北海道のプロジェクトを立ち上げ、今年2023年にはワイナリーの完成と自社畑によるドメーヌ物の初リリースと、今最も日本で注目されている人物なので要チェックです。
その後は熟成ムルソーを一挙に3本続けてご用意致します。1級畑御三家の一角「シャルム」の中でも上部に位置するDessus=ドゥスェは1級最上、下部のDessous=ドゥスーは土が重く石が少ないため、大きく落ちると言われます。そのため誇らしげにエチケットに記載するのは当然でしょう。
そのフィネスとエレガンスは唯一ルーロに対抗できると言われています。続いて名門マルキ・ダンジェルヴィーユが造る唯一の白ワイン「サントノ」です。サントノの畑は赤ワインならヴォルネイ・サントノ呼称になる為、大半の生産者はピノ・ノワールを植えるという事もあり、とても珍しくて希少です。美しく品格と透明感にあふれているヴォルネイと同じく、白ワインも知的でデリケートな味わい。
トリはご存知、コント・ラフォンの「ジュヌブリエール」で締めさせていただきます。ラフォンが所有している区画はペリエールと隣り合う東向きの斜面という好立地で、その2/3は70年超の古木です。また表土が30ー40センチと薄いため、極めてミネラリーなワインとなります。
ペリエールのフィネスとシャルムの力強さを併せ持ち、ヴィオディナミ転換後のためピュアさも際立っています。ムルソーの魅力をたっぷり堪能できる一日。スタッフ一同ぜひご参加をお待ちしています。
定員 13名様 お一人様より承ります。

〜時の流れに身を委ね〜
移りゆく所有者

2019 Puligny Montrachet(de Montille)
2019 ピュリニー・モンラッシェ(ド・モンティーユ)
2009 Puligny Montrachet(Ch.de.Puligny Montrachet)
2009 ピュリニー・モンラッシェ(シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ)
2009 Gevreey Chambertin Les Cazetiers(Bruno Clair)
2009 ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カズティエ(ブリュノ・クレール)
1990 Gevreey Chambertin Les Cazetiers(L.Jadot)
1990 ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カズティエ(ルイ・ジャド)
2018 Bonne Mares(La Pousse D'or)
2018 ボンヌ・マール(ラ・プス・ドール)
1988 Bonne Mares(Moine Hudelot)
1988 ボンヌ・マール(モワンヌ・ユドロ)
2008 Romanee St.Vivant(Jean Jacques Confuron)
2008 ロマネ・サン・ヴィヴァン(ジャン・ジャック・コンフュロン)
1962 Romanee St.Vivant(Charles Noelllat)
1962 ロマネ・サン・ヴィヴァン(シャルル・ノエラ)
・買収の事例(ピュリニー・モンラッシェ)
2012年にド・モンティーユのエティエンヌが経営を任されていたシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェを買い取りました、2016年ヴィンテージをもって生産を終了し2017年からは、ド・モンティーユ のラベルで生産されております。
・契約上の事例(ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カズティエ)
ブリュノ・クレールは、現在レ・カズティエの畑を所有しています。この畑は元々祖父のクレール・ダユが所有していたもので、相続上の問題で1985年ルイ・ジャド社に売却しました、またクレール・ダユが所有していた1部の畑を長期栽培する契約もしました。2006年のルイ・ジャドとの契約終了後、ブリュノ・クレールは、この畑を再び所有することになりました。その為、現在ではルイ・ジャドは、レ・カズティエの畑の1部だけを所有しております。祖父のクレール・ダユの名声復活を目指し、大変熱心にワイン造りに打ち込み、今ではかつてのクレール・ダユを超えると言われています。レ・カズティエの畑は、クロ・サン・ジャックの畑の隣に位置し、ほぼシャンベルタンと同じ標高にあります。
・後継者がいない事例(ボンヌ・マール)
モワンヌ・ユドロは、シャンボール・ミュジニィ村に本拠地を構える由緒あるドメーヌでした、後継者がいない事を理由に2009年には全ての畑を売却しました。畑を買い取ったのはルロワ、ドルーアン・ラローズ、 ヴォルネーの名門、ラ・プス・ドールといった、優良生産者でした。今ではモワンヌ・ユドロのワインは伝説とまでささやかれています。ラ・プス・ドールは、モワンヌ・ユドロを買い取り、1級畑のグロゼイユ、フースロット、シャルム、レ・ザムルーズ、そして特級畑のボンヌ・マールを購入しました。
・相続上の事例(ロマネ・サン・ヴィヴァン)
シャルル・ノエラは、ワインの神様アンリ・ジャイエと比較されるほどの名ドメーヌでしたが、1988年にルロワに畑を売却、その一方で、シャルル・ノエラの畑を相続したドメーヌが2つ、シャルル・ノエラの系譜にあるアラン・ユドロ・ノエラとジャン・ジャック・コンフュロンです。コンフュロンの妻がシャルル・ノエラの孫娘にあたり、特級畑ロマネ・サン・ヴィヴァンの畑を相続しました。
所有者が時の流れで移り変わった、4つの事例のワインをご堪能ください。
どうぞスタッフ一同皆様のご予約をお待ちしております。

〜巨大ラグジュアリー企業の仁義なき戦い〜
グループ・アルテミス(フランソワ・ピノー)VS LVMH(ベルナール・アルノー)

2009 Jacquesson Ay Vauzelle Terme(Ay)
2009 ジャクソン・アイ・ヴォーゼル・テルム(シャンパーニュ・アイ)*2022~Group Artemis
2008 Krug(Reims)
2008 クリュッグ(シャンパーニュ・ランス)*1999~LVMH
2011 Chateau Grillet(N.Gachet)
2011 シャトー・グリエ(ヴァレ・デュ・ローヌ)*2011~Group Artemis
1985 Y de Chateau d'Yquem(Bordeaux)
1985 イグレック・ド・シャトー・ディケム(ボルドー)*1996~LVMH
2004 Clos de Tart(Mommessin)
2004 クロ・ド・タール(ブルゴーニュ・モレサンドニ)*2018~Group Artemis
1998 Clos des Lambray(Lambray)
1998 クロ・デ・ランブレ(ブルゴーニュ・モレサンドニ)*2014~LVMH
1983 Chateau Latour(Pauillac)
1983 シャトー・ラトゥール(ボルドー・ポイヤック)*1993~Group Artemis
1983 Chateau Cheval Blanc(Saint Emilion)
1983 シャトー・シュヴァル・ブラン(ボルドー・サンテミリオン)*1998~LVMH
第2弾は、『グループ・アルテミス(フランソワ・ピノー)VS LVMH(ベルナール・アルノー)』と題して、2023年度世界資産家ランキングで、イーロン・マスク氏の総資産1800億ドルを抜き、2110億ドルで世界首位となったベルナール・アルノー氏率いるLVMHグループと、400億ドルと世界では28位ながらフランス国内では3位に位置する、フランソワ・ピノー氏率いるグループ・アルテミスの巨大ラグジュアリー企業の仁義なき戦いに迫るワイン会です。フランスの遺産でもあるワインは、他国の企業や人物が取得するのに制限があるため、この2人のグループが今後のワインビジネスの中心になることは間違いありません。もちろん大枚叩いて購入するだけでなく、最良の醸造家を雇い、除草剤を排し有機栽培に移行するなど、ワインの質も向上させています。
まずはアルテミスグループが昨年末に購入したジャクソンと、シャンパーニュの5本に1本はLVMHブランドと言われる中、その最高峰に位置するクリュッグの対決からスタートです。ジャクソンからはピノ・ノワール100%、ドサージュゼロで造られるアイ村の単一畑ヴォーゼル・テルムの優良年2009年、対するクリュッグは近年最高のヴィンテージ2008年。200年以上の伝統を誇る名門ジャクソンでクリュッグ創業者のジョセフ・クリュッグが修行した事は有名で、姻戚関係にもあるという因縁の対決です。
続いて希少な白ワインを2種、アルテミスが所有するシャトー・グリエはコンドリューの中の最良区画で単独のアペラシオンを名乗る入手困難なもの。芳香豊かでヴィオニエ種で造られた最も繊細で洗練されたワインです。2011年は購入した最初の年で、この年すぐにヴィオディナミに移行した記念すべきヴィンテージ。対するイグレックは世界最高の貴腐ワイン、シャトー・ディケムが1959年から始めたキュヴェで、熟したソーヴィニヨン・ブランと貴腐菌がつき始めた頃に収穫したセミヨンから造られた、残糖のないイケム。40年近く経過し飲み頃に差し掛かっています。フランス5大白ワインと呼ばれる内の2つのワインの興味深い対決です。
続いてブルゴーニュからは、モレサンドニ村のモノポールにしてグランクリュのクロ・ド・タールとクロ・ド・ランブレの宿命のライバル対決です。それぞれベネディクト派とシトー派の修道僧により開墾された畑で、歴史も900年近くを誇り、隣り合っています。しかし出来るワインは強靭で堅牢、厳格なタイプと、しなやかで気品があり丸みのあるタイプと、全く対照的な2つのワインの対決。
最後はボルドー8大シャトーのラトゥールとシュヴァル・ブランの1983年もので締めていただきます。現在ボルドーで最も前衛的で革新的なラトゥールですが、2012年ヴィンテージ以降プリムール市場から撤退し、2018年には1級で初のビオロジックの認証を取得と話題に事欠きません。シュヴァル・ブランも2022年のサンテミリオン格付けから撤退と市場に衝撃を与えています。1983年は共に成功した年。40年の熟成を経た対決をお楽しみください。
勢いの止まることを知らない両者ですが、フランソワ・ピノーは、ドメーヌ・デュージェニー、シャトー・カロン・セギュール、カルフォルニアのアイズリー・ヴィンヤードなども所有し、ベルナール・アルノーはドン・ペリニヨン、ヴーヴ・クリコ、バンフィ、コルギンなどのオーナーでもあります。当日は、ワインの世界にも影響を与える億万長者のワインを味わいながら、ちょっとした未来図を想像し、楽しみませんか?