regular tasting レアものから年代物まで、様々なワインを・・・

レアものから年代ものまで、毎回様々なテーマを絞り込みセレクトしたシノワワイン会のご案内です。 お好きなお時間にご来店していただき、それぞれのテーブルでご自由にお楽しみください。
但しワインは 17:30 に抜栓します。

8 August 2024
11 Sunday

~温暖化の始まり 2003年を再検証する~

【沸騰するブルゴーニュ!】


¥84,800 消費税・サービス料別

2003 Chablis Grand Cru Les Preuses( Vincent Dauvissat)
2003 シャブリ・グラン・クリュ・レ・プルーズ(ヴァンサン・ドーヴィサ)
2003 Corton Charlemagne(J.Prieur)
2003 コルトン・シャルルマーニュ(ジャック・プリウール)
2003 Meursault Charmes(C.Lafon)
2003 ムルソー・シャルム(コント・ラフォン)
2003 Puligny Montrachet Les Pucelles(V.Leflaive)
2003 ピュリニー・モンラッシェ・レ・ピュセル(ルフレーヴ)
2003 Chassagne Monrashet Boudriotte(Ramonet)
2003 シャサーニュ・モンラッシェ・ブードリオット(ラモネ)
2003 Montrachet(M.Colin)
2003 モンラッシェ(マルク・コラン)

今回のワイン会は、2003年のブルゴーニュのシャルドネにフォーカスし、20年の時を経過した異形のヴィンテージの現在の姿に迫る1日です。2003年はヨーロッパ中が今まで経験したことがない熱波に襲われた年で、1540年以来の記録的な暑さを計測しました。その死者2万人以上。特にフランスは酷く14800人以上が亡くなりました。もちろんワインに及ぼす影響も甚大で、シャブリのあるヨンヌ県では、40度以上の日を8日連続で記録し、他の産地でも軒並み40度を超える日が続きました。葡萄農家は過去に体験した事がない気温上昇に狼狽し、酸味がなくなることを恐れ、その多くは8月中旬から末には収穫を終えています。リリース直後は種の苦味が口中を覆い、酸味が弱く輪郭の緩いワインが大半を占めましたので、私達も影響が顕著な白ワインの購入は控えていました。そんな異形の年の最上生産者のワインを6種取り揃え、20年以上経過したワインがどのように成長したかを検証します。

まずは熱波の被害が直撃したシャブリから、最上ドメーヌで近年異常なほど価格が高騰しているヴァンサン・ドーヴィサの「レ・プルーズ」を。その人気の秘密は今では貴重な古典的なシャブリらしさ。そして完璧なヴィオディナミによるテロワールの表現と、伸びやかで一点の曇りもない美しい酒体。そして海の香りを伴いキラキラと輝くこの地特有のミネラルの美しさ。加えてドーヴィサのこの畑は唯一の南向きの急斜面という最高立地です。2003年はヴィオディナミのため、暑さに負けないブドウを収穫でき、低収量による凝縮故に、長期熟成のワインになったと、本人の弁。この年を代表する成功作からスタートします。

続く「コルトン・シャルルマーニュ」はドメーヌ・ジャック・プリウールによるものです。9つのグラン・クリュと14のプルミエ・クリュを持つブルゴーニュ唯一最大のドメーヌで、1988年からフランス人女性として初のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、ナディーヌ・ギュブランが醸造を手掛けてから、その評価はさらに高まりました。775年から続くシャルルマーニュ大帝の由緒ある畑。ビオ・ロジックでコルトンの丘の中腹に位置します。その個性は新樽による弾けるような樽香が品よく香り、果実味もたっぷり、この畑らしいスケールの大きいワインです。

そしてブルゴーニュ最高峰の3ドメーヌによる1級畑の競演です。まず最も豊かでグラなワインのできるムルソー村の「シャルム」から。コント・ラフォン所有の3大畑の一角で、当主は1985年から運営する4代目ドミニク・ラフォンです。シャルムは最もムルソーらしい畑と言われ、中でも最高区画を有するラフォンのワインがこの畑の最高峰に位置します。ヴィオディナミで完璧に管理されたその畑から、この上なく豊潤で優しくしなやかなワインが生まれます。続くピュリニー・モンラッシェ村の「レ・ピュセル」は、この村最上の1級畑で、生産者はルフレーヴ。とくれば品質は折り紙付き。そのドメーヌが2003年にどのようなワインを造ったのか?ワインラヴァーなら誰もが注目するところです。手掛けるのは、これまた女性、そしてブルゴーニュ随一と目せられる、アンヌ・クロード・ルフレーヴ。1990年に跡を継いだのち、すぐにヴィオディナミを採用し、1997年にはすべての畑を転換、その先進性はほぼ時を同じくしてヴィオディナミを始めたマダム・ルロワと双璧です。その後先代ヴァンサンを超える名声を確立しましたが、残念ながら2015年に亡くなりました。2003年はその絶頂期に造られたもの。ピュセルはバタール・モンラッシェとビアンヴニュ・バタール・モンラッシェの北隣に位置し、ブルゴーニュ随一の気高さと言われています。そしてシャサーニュ・モンラッシェ村からは「ブードリオット」。生産者はこの村の頂点に君臨するラモネです。2003年当時は先代アンドレの時代ですが、実質的に造っているのはジャン・クロードとノエルの兄弟。そして2003年は成功例としても有名です。ラモネのブードリオットはモルジョの中の小区画レ・フェランドのブドウから造られ、斜面の上のより優れた場所。できるワインもこの村特有のオレンジの花の香り漂う華やかさと、豊かな果実味と豊富なミネラルが調和した重層的な味わいという素晴らしさです。

トリはお待ちかね「モンラッシェ」の登場です。有名なコラン一族の先代マルク・コランの作。現在ドメーヌを運営するのはカロリーヌ、ジョセフ、ダミアンの3人で、長男は2005年に自身のドメーヌ、ピエール・イヴ・コラン・モレを立ち上げています。2003年は父親マルクと長男ピエール・イヴの共作。モンラッシェの畑は16人の所有者がいて、マルク・コランはシャサーニュ側の斜面上部にわずか0.11haを所有し、年2樽のみという貴重なものです。1252年の文献に登場するこの由緒正しい特別な畑は、紆余曲折を経てその評価は不動のものとなりました。1855年のラヴァル博士の格付けでは、ロマネ・コンティやシャンベルタンを抑え、ブルゴーニュ最上の畑の称号を与えられ、有名なアレクサンドル・デュマの“ひざまずき脱帽して飲むべし”という台詞が、全てのワイン通が避けて通れない羨望のワインに位置付けました。マルク・コランのモンラッシェはスケールの大きさと果実の厚みに溢れ、引き締まり、かつミネラリーで、透明感のある美しさを有し、これぞモンラッシェと言える完全無比の出来栄えです。しかし2003年はどのようなワインになったのか?

ブルゴーニュ・ラヴァーならぜひ体験していただきたいワインです。今後の温暖化によるワインの将来を占うのにも、興味深い体験です。熱波の2003年のワインの現在はいかに?皆様のご参加をお待ちしています。

7 July 2024
14 Sunday

~飲まねば死ねない!黄金のネクター~

【至高のワイン モンラッシェを味わう】


¥68,800 消費税・サービス料別

2018Chassagne Montrachet Morgeot(P.Y.C.Morey)
2018 シャサーニュ・モンラッシェ・モルジョ(ピエール・イヴ・コラン・モレ)
2018Puligny Montrachet Champs Canet(J.C.Ramonet)
2018 ピュリニー・モンラッシェ・シャン・カネ(ジャン・クロード・ラモネ)
2015Chevalier Montrachet Les Demoiselle(L.Jadot)
2015 シュヴァリエ・モンラッシェ・レ・ドモワゼル(ルイ・ジャド)
2009Batard Montrachet(B.Gagnard)
2009 バタール・モンラッシェ(ブラン・ガニャール)
2009Chevalier Montrachet(M.Nillon)
2009 シュヴァリエ・モンラッシェ(ミシェル・ニーヨン)
2009Montrachet(Ch.de Puligny Montrachet)
2009 モンラッシェ(シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ)

今回のワイン会は、ブルゴーニュの至高にして白ワインの頂点、モンラッシェを中心に、プルミエ・クリュ、グラン・クリュを取り揃え、贅沢にたっぷりと堪能していただきます。

ご存知のようにモンラッシェとは、ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる至高の畑。あらゆる要素を兼ね備えたワインが「モンラッシェ」と言えます。その類稀な個性は、他のすべての白ワインを凌駕し、無限の広がりと細部の緻密さ、優雅さと厳格さ、精神性と官能性、そして孤高でありながら親密、など様々な表情を有しています。テロワールは東南から南向きの完璧な斜度にあり、表土の50センチ下は石灰質に程よく粘土質が混じった軽やかな土壌で、排水に優れ、時には保水性もあるという完全無欠の畑。そんな無双なワインを巡る一日です。

まずはプルミエ・クリュ2種の飲み比べからスタート。ピエール・イヴ・コラン・モレはマルク・コランの長男でありながら跡を継がず、自分の名を冠したドメーヌを興したライジング・スター。対するジャン・クロード・ラモネは100年以上の歴史を誇る名門の3代目。どちらも確立した名声を持ち、最高評価のワインを造っている、ブルゴーニュ・ラヴァー垂涎の生産者のものです。

続くルイ・ジャドは誰もが知る大手ネゴスでありながら最上のドメーヌ物も造っています。ご用意するワインはエリティエ・ルイ・ジャド表記の、ジャド家が代々継承した自社畑。造り手は稀代の天才醸造家ジャック・ラルディエール。「レ・ドモワゼル」はシュヴァリエ・モンラッシェの中にある区画で、ルイ・ラトゥールと半分ずつ所有しています。特にジャドが造るレ・ドモワゼルはモンラッシェにも対抗できるほどの出来と評価されています。畑名は19世紀の所有者だった2人のマドモワゼルに由来しています。

その後は最高峰、3つのグランクリュを同じ2009年で飲み比べ。2009年は際立ったスケールを持ち、豊潤さと滑らかさのある、近年最高のヴィンテージ。モンラッシェを中心に、上部にシュヴァリエ、下部にバタールという位置関係です。下部にある「バタール」は表土が厚く重いため、風味豊かで重厚、骨格もがっしりし、オイリーで噛めるように肉厚なのが特徴。ブラン・ガニャールはドメーヌ・ガニャール・デラグランジュを引き継いだ名門ガニャール一族。「シュヴァリエ」はモンラッシェの名が付く兄弟畑の最高位で、最上部に位置し、表土も薄く石が多いため、ミネラリーで繊細で品格のある美しいワインになるのが特徴です。ミシェル・ニーヨンの畑は、ルフレーブから借りていた区画をそのまま買い取ったもの。白い花とデリケートな白い果実、鉱物由来のミネラルの香りがあり、しなやかで華があり、気品にあふれたワインです。まさに究極の洗練度をもつ貴族的なワインです。最後はお待ちかねの「モンラッシェ」の登場です。1252年の文献に登場した最も由緒正しき畑で、バタールとシュヴァリエの良いところ全てを、さらに深遠さと神秘性を有している、ワインラヴァー垂涎のワインです。ジャスパー・モリスはその著書ワイン大全の中で、「なぜ、ル・モンラッシェはこれほど熱狂するワインなのか?」と問いかけています。その答えは飲んだ人のみが知りえます。造り手のシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェは2002年からエティエンヌ・ド・モンティーユが醸造に関わり、畑をヴィオディナミに改良し、優れたワインを造り続けています。

ブルゴーニュ・ラヴァーなら避けては通れない、そして飲まずには死ねない、黄金のネクター。どうぞ皆様のご参加をお待ちしています。



5 May 2024
5 Sunday

~ポマールの真髄に迫ります~

気高くも美しいポマールのダイヤモンド


¥48,800 53680

2021 Pommard Rugiens Bas (P.Giraldin)
2021 ポマール・リュジアン・バ(ピエール・ジラルダン)
2021 Pommard Rugiens (J.Violot-Guillemard)
2021 ポマール・リュジアン(ジョアネス・ヴィオロ・ギィマール)
2005 Pommard Rugiens (B.Millot)
2005 ポマール・リュジアン(バロ・ミノ)
1990 Pommard Rugiens (J.Voillot)
1990 ポマール・リュジアン(ジョセフ・ボワイヨ)
1989 Pommard Rugiens (F.Gaunoux)
1989 ポマール・リュジアン(フランソワ・ゴヌー)
1978 Pommard Rugiens (de Montille)
1978 ポマール・リュジアン(ド・モンティーユ)

ポマールのワインといえば、骨格ががっちりしていてタニック、しなやかさのない筋肉アスリートといった風情で、繊細で美しいブルゴーニュとは相反しているため、日本では受けがよろしくないワインといえます。
しかしこのレ・リュジアンだけは真逆の個性で、しなやかで繊細、優美なワインが出来るという不思議。畑は上部の「レ・リュジアン・オー」と下部の「レ・リュジアン・バ」に分かれ、その品質には決定的な差があるのも面白いところです。
すなわち下部はより鉄分と粘土が多く、できるワインもより豊潤になります。グランクリュ昇格予備軍の筆頭たる、その魅力を存分に解明していき、ボーヌのワインが一段低く見られている現状に一石を投じるべく、皆様に捧げます。

まずは、ブルゴーニュのライジングスターを2人ご紹介。ピエール・ジラルダンはジラルダン家の13代目でヴァンサン・ジラルダンの息子という血統書付き。父親がワイナリーを売却したため、若くして自分でドメーヌを立ち上げました。
一部の最良の畑を受け継ぎ2017年に21歳の若さでファースト・ヴィンテージをリリース。父親の樽の強い濃厚なスタイルとは訣別し、ピュアでシルキー、際立った華やかさのあるワインで一世を風靡しています。
ジョアネス・ヴィオロ・ギィマールは父親のティエリーからドメーヌを受け継いだばかりですが、すでに入手困難なレアワインとなりました。父親の造りをさらに洗練させ、完成度を格段に引き上げました。
2人に共通するのは、華やかで可憐さの中に、時に妖艶な香りが見え隠れし、絡みつくような官能的な舌触りと、驚くほど純粋なエキス、噛めるような肉厚ボディ、そして長く続く余韻でしょうか。

続くバロ・ミロは17代目のシャルル・バロが当主の歴史あるドメーヌですが、最近になり評価が急上昇しています。2005年という最良のヴィンテージ、透明感のある酸味、ミネラル、旨みが調和し、品格があり熟成感も素晴らしく、すでに飲み頃を迎えています。
続いて1990年と1989年の2年続いたグレート・ヴィンテージを並べます。ジョセフ・ボワイヨの畑は、表記はないですがリュジアン・バ。ポマール的な濃い色合いを求めず、薄い色調ながら風味たっぷりの美しい果実味を追い求めています。
熟成により複雑性が増し、ピークを迎えつつあります。フランソワ・ゴヌーは言わずと知れた名門ゴヌー一族で、なんと現在は25代目のクロディーヌ・ゴヌーがドメーヌを率いています。
ミシェル・ゴヌーとはいとこの関係で、出来るワインは女性醸造家らしくエレガントで華やか、かつ美しく優雅で、まさに「レ・リュジアン」を体現しています。トリに控えるのは先代のユベール・ド・モンティーユ。
100年持つのではと思わせるモンスターヴィンテージ、1978年をご用意いたしました。こちらも表記はありませんがリュジアン・バ。2度と出会えることのないと思われる歴史的なワインということで、今回ラインナップに加えました。

ブルゴーニュ・ラヴァーならぜひ体験していただきたいワインです。ポマールの真髄をご堪能ください。皆様のご参加をお待ちしています。

4 April 2024
28 Sunday

〜ようこそ!官能の世界へ〜

メルロの誘惑


¥48,800 53680

2009 Chateau La Fleur Petrus(Pomerol)
2009 シャトー・ラ・フルール・ぺトリュス
2006 Chateau Hosanna(Pomerol)
2006 シャトー・オザンナ
2000 Chateau Trotanoy(Pomerol)
2000 シャトー・トロタノワ
1990 Vieux Chateau Certan(Pomerol)
1990 ヴィユー・シャトー・セルタン
1985 Chateau l'Evangil(Pomerol)
1985 シャトー・レヴァンジル
1975 Chateau La Conseillant(Pomerol)
1975 シャトー・ラ・コンセイヤント

まずは、圧倒的な成功を収めた2009年ヴィンテージから。ラ・フルール・ペトリュスはムエックス家が所有し、ペトリュスとラフルールの間に位置するテロワールゆえ、ペトリュスの複雑さと力強さ、ラフルールのエレガンスを併せ持つと言われています。そこに2009年の圧倒的なスケール感と球体的なバランスが加わり、まさに無敵の様相。パーカーポイントも98+と過去最高です。この異次元のワインからスタートです。続くオザンナもムエックス家が1999年から造り始めた、新時代のスーパースターと言える存在。粘土質に砂質土壌が加わり、カベルネフランが30%と多く植えられていることもあり、ポムロールのシュヴァル・ブランの異名も持ちます。官能とエレガンスの世界を体感してください。2000年は言わずと知れたミレニアム・ヴィンテージ。なんとこのシャトーもムエックス家所有で、否が応でもポムロールでのムエックス家の存在の大きさを思い知らされます。トロタノワはその知名度に比べてなかなか当たりが少ないという不思議なシャトーで、体感としては10年に1〜2回。しかし2000年は豊潤で甘やかでゴージャス、未だ強靭さは残るとはいえ、そのポテンシャルは十二分に発揮されています。ヴィユー・シャトー・セルタンはル・パンのティアンポン一族が1924年に購入、立地はプラトーの中央に位置し、ペトリュス、ラフルール、ル・パンに囲まれた最良のテロワールです。ベルベットのようなテクスチャーに加え、比較的多いカベルネ由来のエレガンスも兼ね備え、1990年の柔らかく純粋なキャラクターを有する、完全無欠の美味しさ。熟成による官能性も一段深まり、飲み頃の高原状態に入っています。最後の2本はポムロールの永遠のライバル、レヴァンジルとコンセイヤント対決。かたやパワフルで筋肉質で思索的、かたやしなやかで球体で享楽的。どちらも甲乙つけ難い魅力を有しています。レヴァンジルの1985年はこの年のボルドーワインの最高峰に君臨する、際立つ品格かつゴージャスな出来栄え。コンセイヤントの1975年は柔らかくレースのような舌触りにたっぷりの旨みを含み、抗し難い魅力を放つ、魅惑の出来栄え。トリを飾るに相応しいこの2本のワインが本日のフィナーレとなります。

ボルドー・ラヴァーならずとも、全てのワイン・ラヴァーに捧げるこのワイン会。ぜひこの機会に素晴らしきメルロの官能の世界に浸りきってください。皆様のご参加をお待ちしています。

3 March 2024
20 Wednesday

~村名からグラン・クリュまで~

【ワインの神様に愛される村・ヴォーヌ・ロマネ】


¥48,800 53800

2014 Vosne Romanee Aux Reas Vieille Vignes(J.M.Fourrier)
2014 ヴォーヌ・ロマネ・オー・レア・ヴィエイユ・ヴィーニュ(ジャン・マリー・フーリエ)
2014 Vosne Romanee Les Gaudichots(Forey P&F)
2014 ヴォーヌ・ロマネ・レ・ゴーディショ(フォレ・ペール・エ・フィス)
2012 Vosne Romanee Les Petits Monts(Lucien Moine)
2012 ヴォーヌ・ロマネ・ レ・プティ・モン(ルシアン・ル・モワンヌ)
2011 Vosne Romanee Clos d'Eugenie(d'Eugenie)
2011 ヴォーヌ・ロマネ・クロ・デュージェニー(デュージェニー)
2001 Vosne Romanee Les Suchots(C.Cotetidot)
2001 ヴォーヌ・ロマネ・レ・スショ(コンフュロン・コトティド)
2004 Richebourg(A.Gros)
2004 リシュブール(アンヌ・グロ)

今回のワイン会は、ヴォーヌ・ロマネ村にフォーカスし、村名畑付き〜プルミエ・クリュ〜グラン・クリュまで、その魅力を存分に解明していきます。

まずは、ブルゴーニュのスター生産者、ジャン・マリー・フーリエが新たに展開するネゴス物の「オー・レア」からスタートします。神様アンリ・ジャイエの弟子として一世を風靡し、その人気と実力は周知の通りですが、需要が供給に追いつかないためネゴシアンをスタートしました。ネゴスと言えどもワインに対する哲学は同じ、ジャイエから引き継いだ選果、100%除梗、ブドウの発酵前浸漬も実践されています。続いて本日の大注目、ドメーヌ・フォレの「レ・ゴーディショ」の登場です。ブルゴーニュマニアが憧憬するこの畑は、生産量が極端に少なく、特殊な歴史を有している畑。それは、1860年代にD R Cが所有していたレ・ゴーディショの畑をラ・ターシュに編入したために起こりました。元々1.416haだったラ・ターシュが6.06ha、レ・ゴーディショが⒈03haとなり、その希少性から滅多にお目にかかれないレアワイン状態。原産地法ができる前の出来事で、現在ではあり得ないでしょう。所有する区画はラ・ターシュとラ・グラン・リュに挟まれた最良の区画で、樹齢80年超の古木から造られています。続くルシアン・ル・モアンヌはミクロ・ネゴスの先駆者で、自らは畑を持たず、グラン・クリュとプルミエ・クリュの銘醸畑に特化し、ワイン生産を行うスタイルです。最大の特徴は、最高品質のぶどうジュースを購入し、ワインに質に合わせて樽を炭でローストし、バトナージュ(澱の攪拌)をゆっくりソフトに行い、複雑みのある味わいを追求しているところです。「レ・プティ・モン=小さな山」はリシュブールの斜面上部に位置する畑で、味わいはミネラルがキラキラ輝いている小型版リシュブールと言えるでしょう。デュージェニーは巨大ラグジュアリー企業のアルテミス・グループが2006年にスタートさせた新しいドメーヌです。ルネ・アンジェルの当主が急逝し、一族が手放したドメーヌを購入したものです。企業が経営するとビジネス的な要素が常にまとわりつきますが、2009年にビオディナミに移行し、本気でクオリティに投資しています。「クロ・デュージェニー」は村名格ながら、ラ・ターシュ直下に位置し、プリウレ・ロックのクロ・ゴワイヨットの上にある石垣に囲まれた小区画。この素晴らしいテロワールの可能性を存分に活かし、柔らかくしなやかで旨みたっぷりの、村名格としては出色の出来のワインを造っています。

さて、残るは2本で熟成からくるヴォーヌ・ロマネの魅力を堪能してください。コンフェロン・コトティドは、遅摘みを身上とする醸造哲学で、この「レ・スショ」も豊かな果実味のあるスケールの大きなもの。リシュブールとロマネ・サン・ヴィヴァン、エシェゾーに囲まれたテロワールは素晴らしいの一言で、樹齢60年〜80年の古木から造られています。長期熟成のスタイルですが、23年を経過して飲み頃を迎えています。そして大トリにグラン・クリュ「リシュブール」を迎えて本日のフィナーレです。アンヌ・グロは名門グロ一族の中で最も評価と人気が高いドメーヌです。1995年にアンヌの代になりましたが、当初の重くて濃厚なスタイルから、突如として2001年頃に、華やかで香り高く、ミネラリーでエレガンスに溢れるワインに変身し、驚かされると同時に、瞬く間にブルゴーニュの頂点に上り詰めました。現在は最上の女性醸造家という枠を飛び越え、ブルゴーニュの全生産者の中でも究極的に美しいワインを造り続けています。2004年は冷涼な上、てんとう虫の大発生により、ワインに青臭さが付いた年と言われていますが、今となっては軽やかで涼しいブルゴーニュらしさを存分に備えた味わい。そのヴィンテージの頂に君臨するアンヌ・グロのリシュブールは美しい貴婦人のように品格があり洗練されたワインとなりました。

ブルゴーニュ・ラヴァーならぜひ味わって頂きたいワインです。ぜひこの素晴らしいブルゴーニュワインをご堪能くださいませ。皆様のご参加をお待ちしています。


2 February 2024
23 Friday

~スーパーヴィンテージのスーパーセカンド+1~

2000年の衝撃!再び


¥48,800 53680

2000 Chateau Cos d'Estournel
2000 シャトー・コス・デストゥルネル(サン・テステフ村)
2000Chateau Lynch Bages
2000 シャトー・ランシュ・バージュ(ポイヤック村)
2000Chateau Pichon Longueville Comtesse de Lalande
2000 シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(ポイヤック村)
2000Chateau Pichon Longueville Baron
2000 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン(ポイヤック村)
2000 Chateau Gruaud Larose
2000 シャトー・グリュオ・ラローズ(サン・ジュリアン村)
2000 Chateau Ducru Beaucaillou
2000 シャトー・デュクリュ・ボーカイユ(サン・ジュリアン村)

まずは、サン・テステフ村の雄「コス・デストゥルネル」からスタートします。この村南端に位置し、ラフィットを見下ろす丘という絶好のテロワール、そして異彩を放つオリエンタルな外観。その柔らかくしなやかで洗練された味わいに魅了されるファンが多いのは、メドックでは特異な40%のメルロの存在です。粘土質が多く存在するこの畑ならではのセパージュ比率、超近代設備によるさらなる品質向上、古樹が多いのも特徴です。2000年は複雑さと奥行きを増して、素晴らしいワインへと進化中。

ポイヤック村からは3シャトーが登場します。「ランシュ・バージュ」は5級格付けながら、価格は並の2級シャトーを大きく引き離し、マルゴー村のパルメ同様、実質スーパーセカンドと同等レヴェルにあります。昨年亡くなったジャン・ミッシェル・カーズがクオリティを飛躍的にアップさせました。ポイヤック村の真ん中に位置し、北にはムートン、南にラトゥールが聳え立ち、この村らしい緻密で凝縮し品格の高いワインを生み出しています。2000年はこのシャトーの良さを全て体現した完成度を誇ります。続いてこの村南端に位置し、ラトゥールと隣り合うピション姉弟の美しい姉「ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド」は、コンテス=伯爵夫人の名前が示す通り高貴に洗練されています。メルロが多くふくよかでシルキーな舌触り、豊潤なボディラインは魅力にあふれています。そのビロードのような口当たりの虜になる方も多いのは納得できます。2000年はさらにゴージャスさを備え、レースのように繊細で、エレガンスの粋を堪能させてくれます。対して「ピション・ロングヴィル・バロン」はバロン=男爵の名の通り、力強くガッチリしたタイプ。新樽の華やかな香りと果実味の凝縮したリッチで噛めるような肉厚ボディ、甘く溶けたタンニンと長い余韻はデカダンスさえ感じます。2000年は豊かさを増し、有無を言わせぬスケール感、純粋さも加わり、極めて長い余韻の無敵のワインの様相。

サンジュリアン村からは2シャトーを選別。「グリュオ・ラローズ」のラベルには、“王のワイン、ワインの王=Le Vin des Rois Le Roi des Vins”と記されていますが、このシャトーのワインは威厳というより親しみやすさを感じる、言わば民衆の王という風情です。球体かつ肉厚で大地のニュアンスを持ち、するすると喉を通り抜けるフィネスに溢れた魅力的なネクター。2000年はこのヴィンテージ故か親しみに加えて威厳と品格をも感じさせる出来となりました。本日のトリは「デュクリュ・ボーカイユ」。その美しく気高く優雅で洗練されたワインは、まさにサン・ジュリアンの最良のスタイル。キラキラ輝く煌びやかなミネラルと清冽な酸味が、その優雅さの源泉です。それを生み出すのは類まれな、うず高く堆積している白い砂利を大量に含んだテロワール。究極的に洗練された美しいワインを飲みたい方がたどり着くワイン、それがこのワインでしょう。2000年はダイヤモンドのような輝きを備えながら華美にならず、日本人なら分かる引き算の美学を有した稀有の出来です。

ボルドー・ラヴァーならずとも、ワインに魅了された方ならぜひ味わって頂きたいワイン達。ぜひこの素晴らしい2000年の衝撃を、ご自身の感性でご堪能ください。皆様のご参加をお待ちしています。

2 February 2024
11 Sunday

~1999年 各村選抜グランクリュ対決~

【神々が宿るコート・ドール その四半世紀の時の流れを振り返る】


¥59,800 65780

1999 Mazoyere Chambertin(P.Minot)
1999 マゾワイエール・シャンベルタン(ペロ・ミノ)
1999 Clos de la Roche(Lecheneaut)
1999 クロ・ド・ラ・ロッシュ(レシュノー)
1999 Bonne Mares(R.Groffier)
1999 ボンヌ・マール(ロベール・グロフィエ)
1999 Clos Vougeot Le Grand Maupertui(A.Gros)
1999 クロ・ド・ヴージョ・グラン・モーペルテュイ(アンヌ・グロ)
1999 Grands Echezeaux(F.Lamarche)
1999 グラン・ゼシュゾー(フランソワ・ラマルシュ)
1999 Corton Bressandes(P.F.de.Merode)
1999 コルトン・ブレサンド(プランス・フローラン・ド・メロード)

ジュヴレ・シャンベルタン村からペロ・ミノのマゾワイエール・シャンベルタン。家族4代にわたって続くドメーヌで、1993年に現当主のクリストフがドメーヌを引き継いだ際にワイン造りを大幅に変更し、ワインスペクテイターなどの評価もうなぎのぼりに上がっている大注目生産者です。

次はモレ・サン・ドニ村からレシュノーのクロ・ド・ラ・ロッシュ。テロワール独特の豊かさを守り、伝統を尊重した自然農法を実践する、ロバート・パーカーが最高評価5つ星を付ける生産者です。年間わずか500本程しか生産されない稀少なワイン。

シャンボール・ミュジニー村からはロベール・グロフィエのボンヌ マール 。この村の名手の僅かな生産量の特級畑から生み出される、力強さとフレッシュ感を兼備した別格の出来栄えです。ブラックベリーやダークチェリーなど、黒系果実のニュアンスを強く感じさせながらも、柔らかなタンニンと、なめらかな舌触りを持つ魅惑のワインです。

ヴージョ村からはアンヌ・グロのクロ・ド・ヴージョ・グラン・モーペルテュイ。グラン・エシェゾーのすぐ近く、わずか0.93haの区画と100年を超える樹齢の古樹から生まれるワインです。フランソワ・グロの一人娘であるアンヌは、1988年に父のドメーヌを引き継ぐことになり、現在ではブルゴーニュ屈指の女性醸造家との名声を得ています。ピュアな果実味で、エレガンスを体現したかのような滑らかなワインを生み出します。

ヴォーヌ・ロマネ村からは、フランソワ・ラマルシュのグラン・エシェゾー。現在はフランソワの娘で5代目になるニコルが引き継ぎ、有機栽培を取り入れ、品質が驚くほど向上しています。ドメーヌ名もニコル・ラマルシュに変更。今回のワインは父親フランソワの代のもの。

アロース・コルトン村からは、プランス・フローラン・ド・メロードのコルトン・ブレサンド。2009年よりロマネコンティ社に畑を貸し出し、コルトンがリリースされています。話題騒然の入手困難ワインとの評判。コルトンらしいスケール感と旨味たっぷりの豊潤な味わいです。

ブルゴーニュ・ラヴァーならぜひ味わって頂きたいワインです。ぜひこの素晴らしいブルゴーニュワインをご堪能くださいませ。皆様のご参加をお待ちしています。

1 January 2024
7 Sunday

~新潟産網獲り真鴨と世界の極上ワインが織りなすマリアージュ~

ジビエを至高のワインと愉しむ


¥49,800 54780

2013 Grange(Penfolds)
2013 グランジ(ペンフォールド)
2008 Unico(Vega Sicilia)
2008 ウニコ(ベガ・シシリア)
2006 Chambertin(P.Minot)
2006 シャンベルタン(ペロ・ミノ)
1999 Hermitage(J.L.Chave)
1999 エルミタージュ(ジャン・ルイ・シャーブ)
1989 Barolo Cerequio(R.Voerzio)
1989 バローロ・チェレクイオ(ロベルト・ヴォエルツィオ)

ジビエ=狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理

厳しい自然の中で育った真鴨。
力強い野生味と滋味深くも繊細な味わいと、血の風味と野生の香りが魅力ですよね。特にこの時期は脂が乗っており大変美味。その味わいに負けない為のサルミソースは、鴨の肉汁に内臓や血を合わせた濃厚な味わい。野生味溢れるジビエ料理には、並のワインでは風味に負けてしまう。かといって、単に力強さやタンニンが強ければ良いわけでもない。『しっかりとした骨格、鉄分、緻密なタンニン、複雑な味わい、熟成の風味』これらの要素を併せ持つ、真鴨料理にぴったりな世界の極上ワインを集めました。
オーストラリアを代表する『グランジ』。南オーストラリア全域に広がる自社畑や葡萄農家が育てた「異なる畑や地域からブドウを集めてブレンドし、最高のワインを造る」と言う独特の理念を当時より貫いております。セパージュは『シラーズ』をメインに少量のカベルネ・ソーヴィニョン。なんと、今回登場する2013年はパーカーポイント100点満点!!いきなりスーパーワインでの幕開けです。『ウニコ』は、スペインのトップワイナリー、ベガシシリアが作り出す同国ワインの至宝。かつては荒地だった土地、リベラ・デル・ドゥエロをスペインの高級ワイン産地へと引き上げた立役者です。700~900mと言う標高と気温差という過酷な環境によって、力強さとエレガンスを兼ね備えた素晴らしいワイン。『テンブラリーニュ』とカベルネ・ソーヴィニョンという唯一無二の味わいです。フランスからはブルゴーニュワインの王様と称えられるグランクリュ『シャンベルタン』。ジビエに合わせる『ピノ・ノワール』といったら真っ先に浮かぶワインと言っても過言ではございませんよね。モレサンドニに本拠に置く、いまやブルゴーニュのスーパースター、ペロ・ミノの登場です。2000年代に入り、以前の様な過度な抽出のスタイルから、アンリジャイエ譲りの自然なスタイルになり、近年益々素晴らしいワインを作っております。こちらも、フランスより参戦の『エルミタージュ』。エルミタージュの魔術師とも言われる、ジャン・ルイシャーヴが作る究極のローヌワイン。所有する畑の6~7区画ごとのテロワールを活かし、それらをアッサンブラージュした『シラー』100%で作られるワインは、まさにエレガントの極み。かつては『グランジ・ハーミテージ』の名でリリースされていた、『グランジ』との比較も非常に興味をそそられます。イタリアからは、品質への徹底した追求からバローロNo.1の栽培家と呼ばれる、ロベルト・ヴォエルツィオのワインは、シルキーで官能的。一本の樹から採れる総量の2/3房分のみ使用する、という徹底した収量制限から作られた珠玉の『バローロ』は飲み手に大きな感動を与えます。チェレクイオはバローロの歴史上でも最も偉大なる銘醸畑のひとつ。偉大なランゲの畑の中で最も美しい凝縮感を持つと言われた、『ネッビオーロ』で造られる究極の熟成バローロを是非味わってください。それぞれ違った個性を持つ極上のワインたち。
果たして今回のお料理にベストマッチは如何に?

11 November 2023
23 Thursday

~究極のネクターへ 50年の時を楽しむ~

【唯一無二!ドン・ペリニヨンの熟成マジック】


¥59,800 65780

1998 Moet & Chandon Grand Vintage(Epernay)
1998モエ・シャンドン・グラン・ヴィンテージ(エペルネ)
2013 Dom Perignon(Epernay)
2013ドン・ペリニヨン(エペルネ)
2008 Dom Perignon(Epernay)
2008ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1996 Dom Perignon(Epernay)
1996ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1990 Dom Perignon(Epernay)
1990ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1973 Dom Perignon(Epernay)
1973ドン・ペリニヨン(エペルネ)

シャンパーニュ地方のオーヴィレール修道院の修道僧、ドン・ピエール・ペリニヨン(1638-1715)の登場により、その歴史が始まったシャンパーニュ。フランスのブドウ栽培の北限にあるため、冬の寒さで発酵が止まり、春を迎え二時発酵が起こり、自然に炭酸ガスを含んだ泡立つワインが出来上がりました。当時樽で保存されていた泡立つワインを、ドン・ピエール・ペリニヨンは瓶詰めすることにより今のシャンパーニュの原形を生み出したのです。イギリスから丈夫な瓶を探し出し、スペイン製のコルクを調達し、黒ブドウから白い果汁を抽出し、さまざまな畑のブドウを巧みにブレンドするなど、質の高いワインの製造も同時に行いました。瓶をあけた瞬間に吹き出る泡、当時では、もちろん今でさえロマンを感じさせるシャンパーニュが、すぐにヨーロッパの宮廷でもてはやされたのは想像に難くありません。

さて、本日はドン・ペリニヨンの50年の熟成の時を巡るヴァーティカル(垂直)テイスティングをお楽しみいただきますが、まずはその弟分とも言うべき、四半世紀の時を経たグラン・ヴィンテージの1998年からスタートします。その後に続くドン・ペリニヨンは全て当たり年のラインナップでお届け致します。

トップは2013年。ブルゴーニュのハズレ年はシャンパーニュの当たり年、それをそのまま体感させてくれます。シャンパーニュは酸味とミネラルが肝で、その骨格を形成します。距離的に近いブルゴーニュの温暖な年は、シャンパーニュでは酸味が弱く輪郭の緩い年になってしまいます。この年はラグジュアリーさをも感じられる、しなやかで柔らかく完全な調和が生まれた年。続く2008年は近年最高のヴィンテージで、まだまだ若々しく新鮮さを保っていますが、熟成のニュアンスも出始めています。膨大なミネラルと切れ味抜群の酸味、それを支える豊かな果実味が渾然一体となる、完全無欠の液体です。1996年は2008年に近いタイプながら、さらに12年熟成したことにより、完成に近づいています。高い熟度と膨大な酸味、ミネラルの、内向的ですが恐ろしく集中している緻密なヴィンテージ。品格の高さ、美しさでは並ぶものがありません。1990年は退廃的な魅力を含んだヴィンテージで、有無を言わせぬ迫力と肉厚でジューシーなスケール感がとてつもない。内向的な1996年に対して、外交的で溢れんばかりの魅力を感じさせる偉大な年で、誰をも美味しいと感じさせるパーフェクト・ヴィンテージ。1973年は70年代最高の3つのヴィンテージの一角で、すでに発泡は弱いですが、豊かな滋味と旨味に溢れ、身体に染み渡ります。静謐でありながら雄弁、無駄なものを省いた洗練された美しさ。そこはシャンパーニュの行き着く所、終着点です。この熟成の魔法を知ってこそのシャンパーニュ・ラヴァー。二度とできないラインナップです。

ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。

11 November 2023
3 Friday

~シャンボール・ミュジニー・コンプリート~

【優美で可憐な魅惑のシャンボール!】


¥88,800 97680

2006 Chambolle Musigny(Vogue)
2006 シャンボール・ミュジニー(ヴォギュエ)
2006 Chambolle Musigny(G.Roumier)
2006 シャンボール・ミュジニー(ジョルジュ・ルーミエ)
2009 Chambolle Musigny Les Fousselottes(G.Pansiot)
2009 シャンボール・ミュジニー・レ・フスロット(ジャンテ・パンショ)
2007 Chambolle Musigny Les Baudes(G.Barthod)
2007 シャンボール・ミュジニー・レ・ボード(ジスレーヌ・バルトー)
2005 Chambolle Musigny Aux Beaux Bruns(D.Mortet)
2005 シャンボール・ミュジニー・オー・ボー・ブラン(ドニ・モルテ)
2000 Chambolle Musigny La Combe d`Orveaux Vieille Vignes (P.Milot))
2000 シャンボール・ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォー・ヴィエーユ・ヴィーニュ(ペロ・ミノ)
2007 Chambolle Musigny Les Amoureuse(R.Groffier)
2007 シャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズ(ロベール・グロフィエ)
2006 Musigny(J.Drouhin)
2006 ミュジニー(ジョセフ・ドルーアン)

まずは、2006年の村名2種を、ヴォギュエとルーミエというシャンボールマニア垂涎の2大生産者で飲み比べ。この年は果実味豊かで現在飲み頃に入っている、ブルゴーニュらしい素晴らしいヴィンテージです。同時に飲み比べると、シャンボールの特徴と造り手の個性が浮き彫りになります。

続いてプルミエ・クリュが5つ並びます。「レ・フスロット」は、村の集落のすぐ下に位置する比較的肥沃な土壌で、できるワインもシャンボールらしい繊細さとボディの厚みのあるスタイル。ジャンテ・パンショはジュブレ村に3代続くドメーヌで、豊潤な2009年のヴィンテージの恩恵も受け、旨味ののったスケールの大きな味わい。

「レ・ボード」は現在この村を代表する生産者と言っても過言ではないジスレーヌ・バルトーの作で、9つのプルミエ・クリュの畑を有している、この村のスペシャリスト。ブルゴーニュ屈指の女性醸造家としても有名です。この畑はボンヌ・マールに向かい合う位置にあり、この村のワインとしては力強く厚みのあるタイプになります。

「オー・ボー・ブラン」は赤土の混ざった肥沃な土壌で、シャンボールらしい繊細さと豊かさを併せ持つ畑。生産者は2007年に亡くなった先代の故ドニ・モルテで、シャンボール村に唯一所有している畑です。そのゴージャスで重量感のある造りには熱狂的なファンが多数いて、当時はカルト的な人気を誇っていました。本日は2005年のビックヴィンテージをご用意しています。

「ラ・コンブ・ドルヴォー」はグラン・クリュのミュジニー、クロ・ヴージョ、エシェゾーに隣接したこの村きってのプルミエ・クリュ。標高の高さゆえ、ミネラリーで洗練された、シャンボールのイメージ通りのワインができます。畑の大半はプルミエ・クリュですが、一部はグラン・クリュと村名格に別れています。徹底的な選果と発酵前の低温浸漬というアンリ・ジャイエから忠実に引き継いだ技法で造られたこのワインは、23年間を経過し、充分な飲み頃に入っています。

「レ・ザムルーズ」はブルゴーニュ随一の人気の畑で、かつ最もグラン・クリュに近いと言われています。その価格はボンヌ・マール以上で、多くのドメーヌでは試飲順もボンヌ・マールの後に出てきます。畑はミュジニーの真下に広がり、斜面の傾斜が穏やかなため、ミュジニーより柔らかくしなやかで、究極のシャンボール的華やかな味わい。本日のワイン会のタイトル“優美で可憐な魅惑的”がそのまま表現されています。ロベール・グロフィエはこの畑最大の所有者であり、畑の位置も斜面上部の最良区画です。除梗はヴィンテージにより変え、発酵温度をギリギリまで高くするのがこのドメーヌの流儀。濃密で艶のある造りで、クラシックなスタイルの2007年産。

「ミュジニー」は数あるブルゴーニュのグラン・クリュの最高峰の一つで、その別格の煌めきは宝石に例えられます。歴史も古く、1110年にシトー派の修道僧が開墾したもの。巷でよく言われる“ビロードの手袋をした鋼の拳”という表現がありますが、これは並外れたミネラルと鋭利な刃物を思わせる酸味からきていると思います。そこに豊かな果実味と、極限まで昇華した魅惑的な香り、内面的な美しさ、輝きが一体化し、どこにもない唯一無二の魅力がブルゴーニュファンを虜にします。造り手はドメーヌとネゴスを幅広く展開するジョセフ・ドルーアン。ブルゴーニュ好きはどうしても小規模ドメーヌを最上としますが、この造り手は侮れません。近年のドルーアンの造るミュジニーの圧倒的な価格の値上がりをみても、その評価は証明されています。どこまでも華やかでしなやか、美しく品格に溢れ、芯の強さもある、ドルーアンはそのようなワインを造り上げています。ぜひご期待を!そしてお見逃しなく。スタッフ一同、皆様のご参加をお待ちしています。

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