レアものから年代ものまで、毎回様々なテーマを絞り込みセレクトしたシノワワイン会のご案内です。
お好きなお時間にご来店していただき、それぞれのテーブルでご自由にお楽しみください。
但しワインは
17:30
に抜栓します。
~村名からグラン・クリュまで~
【ワインの神様に愛される村・ヴォーヌ・ロマネ】
2014 Vosne Romanee Aux Reas Vieille Vignes(J.M.Fourrier)
2014 ヴォーヌ・ロマネ・オー・レア・ヴィエイユ・ヴィーニュ(ジャン・マリー・フーリエ)
2014 Vosne Romanee Les Gaudichots(Forey P&F)
2014 ヴォーヌ・ロマネ・レ・ゴーディショ(フォレ・ペール・エ・フィス)
2012 Vosne Romanee Les Petits Monts(Lucien Moine)
2012 ヴォーヌ・ロマネ・ レ・プティ・モン(ルシアン・ル・モワンヌ)
2011 Vosne Romanee Clos d'Eugenie(d'Eugenie)
2011 ヴォーヌ・ロマネ・クロ・デュージェニー(デュージェニー)
2001 Vosne Romanee Les Suchots(C.Cotetidot)
2001 ヴォーヌ・ロマネ・レ・スショ(コンフュロン・コトティド)
2004 Richebourg(A.Gros)
2004 リシュブール(アンヌ・グロ)
今回のワイン会は、ヴォーヌ・ロマネ村にフォーカスし、村名畑付き〜プルミエ・クリュ〜グラン・クリュまで、その魅力を存分に解明していきます。
まずは、ブルゴーニュのスター生産者、ジャン・マリー・フーリエが新たに展開するネゴス物の「オー・レア」からスタートします。神様アンリ・ジャイエの弟子として一世を風靡し、その人気と実力は周知の通りですが、需要が供給に追いつかないためネゴシアンをスタートしました。ネゴスと言えどもワインに対する哲学は同じ、ジャイエから引き継いだ選果、100%除梗、ブドウの発酵前浸漬も実践されています。続いて本日の大注目、ドメーヌ・フォレの「レ・ゴーディショ」の登場です。ブルゴーニュマニアが憧憬するこの畑は、生産量が極端に少なく、特殊な歴史を有している畑。それは、1860年代にD R Cが所有していたレ・ゴーディショの畑をラ・ターシュに編入したために起こりました。元々1.416haだったラ・ターシュが6.06ha、レ・ゴーディショが⒈03haとなり、その希少性から滅多にお目にかかれないレアワイン状態。原産地法ができる前の出来事で、現在ではあり得ないでしょう。所有する区画はラ・ターシュとラ・グラン・リュに挟まれた最良の区画で、樹齢80年超の古木から造られています。続くルシアン・ル・モアンヌはミクロ・ネゴスの先駆者で、自らは畑を持たず、グラン・クリュとプルミエ・クリュの銘醸畑に特化し、ワイン生産を行うスタイルです。最大の特徴は、最高品質のぶどうジュースを購入し、ワインに質に合わせて樽を炭でローストし、バトナージュ(澱の攪拌)をゆっくりソフトに行い、複雑みのある味わいを追求しているところです。「レ・プティ・モン=小さな山」はリシュブールの斜面上部に位置する畑で、味わいはミネラルがキラキラ輝いている小型版リシュブールと言えるでしょう。デュージェニーは巨大ラグジュアリー企業のアルテミス・グループが2006年にスタートさせた新しいドメーヌです。ルネ・アンジェルの当主が急逝し、一族が手放したドメーヌを購入したものです。企業が経営するとビジネス的な要素が常にまとわりつきますが、2009年にビオディナミに移行し、本気でクオリティに投資しています。「クロ・デュージェニー」は村名格ながら、ラ・ターシュ直下に位置し、プリウレ・ロックのクロ・ゴワイヨットの上にある石垣に囲まれた小区画。この素晴らしいテロワールの可能性を存分に活かし、柔らかくしなやかで旨みたっぷりの、村名格としては出色の出来のワインを造っています。
さて、残るは2本で熟成からくるヴォーヌ・ロマネの魅力を堪能してください。コンフェロン・コトティドは、遅摘みを身上とする醸造哲学で、この「レ・スショ」も豊かな果実味のあるスケールの大きなもの。リシュブールとロマネ・サン・ヴィヴァン、エシェゾーに囲まれたテロワールは素晴らしいの一言で、樹齢60年〜80年の古木から造られています。長期熟成のスタイルですが、23年を経過して飲み頃を迎えています。そして大トリにグラン・クリュ「リシュブール」を迎えて本日のフィナーレです。アンヌ・グロは名門グロ一族の中で最も評価と人気が高いドメーヌです。1995年にアンヌの代になりましたが、当初の重くて濃厚なスタイルから、突如として2001年頃に、華やかで香り高く、ミネラリーでエレガンスに溢れるワインに変身し、驚かされると同時に、瞬く間にブルゴーニュの頂点に上り詰めました。現在は最上の女性醸造家という枠を飛び越え、ブルゴーニュの全生産者の中でも究極的に美しいワインを造り続けています。2004年は冷涼な上、てんとう虫の大発生により、ワインに青臭さが付いた年と言われていますが、今となっては軽やかで涼しいブルゴーニュらしさを存分に備えた味わい。そのヴィンテージの頂に君臨するアンヌ・グロのリシュブールは美しい貴婦人のように品格があり洗練されたワインとなりました。
ブルゴーニュ・ラヴァーならぜひ味わって頂きたいワインです。ぜひこの素晴らしいブルゴーニュワインをご堪能くださいませ。皆様のご参加をお待ちしています。
~スーパーヴィンテージのスーパーセカンド+1~
2000年の衝撃!再び
2000 Chateau Cos d'Estournel
2000 シャトー・コス・デストゥルネル(サン・テステフ村)
2000Chateau Lynch Bages
2000 シャトー・ランシュ・バージュ(ポイヤック村)
2000Chateau Pichon Longueville Comtesse de Lalande
2000 シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(ポイヤック村)
2000Chateau Pichon Longueville Baron
2000 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン(ポイヤック村)
2000 Chateau Gruaud Larose
2000 シャトー・グリュオ・ラローズ(サン・ジュリアン村)
2000 Chateau Ducru Beaucaillou
2000 シャトー・デュクリュ・ボーカイユ(サン・ジュリアン村)
まずは、サン・テステフ村の雄「コス・デストゥルネル」からスタートします。この村南端に位置し、ラフィットを見下ろす丘という絶好のテロワール、そして異彩を放つオリエンタルな外観。その柔らかくしなやかで洗練された味わいに魅了されるファンが多いのは、メドックでは特異な40%のメルロの存在です。粘土質が多く存在するこの畑ならではのセパージュ比率、超近代設備によるさらなる品質向上、古樹が多いのも特徴です。2000年は複雑さと奥行きを増して、素晴らしいワインへと進化中。
ポイヤック村からは3シャトーが登場します。「ランシュ・バージュ」は5級格付けながら、価格は並の2級シャトーを大きく引き離し、マルゴー村のパルメ同様、実質スーパーセカンドと同等レヴェルにあります。昨年亡くなったジャン・ミッシェル・カーズがクオリティを飛躍的にアップさせました。ポイヤック村の真ん中に位置し、北にはムートン、南にラトゥールが聳え立ち、この村らしい緻密で凝縮し品格の高いワインを生み出しています。2000年はこのシャトーの良さを全て体現した完成度を誇ります。続いてこの村南端に位置し、ラトゥールと隣り合うピション姉弟の美しい姉「ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド」は、コンテス=伯爵夫人の名前が示す通り高貴に洗練されています。メルロが多くふくよかでシルキーな舌触り、豊潤なボディラインは魅力にあふれています。そのビロードのような口当たりの虜になる方も多いのは納得できます。2000年はさらにゴージャスさを備え、レースのように繊細で、エレガンスの粋を堪能させてくれます。対して「ピション・ロングヴィル・バロン」はバロン=男爵の名の通り、力強くガッチリしたタイプ。新樽の華やかな香りと果実味の凝縮したリッチで噛めるような肉厚ボディ、甘く溶けたタンニンと長い余韻はデカダンスさえ感じます。2000年は豊かさを増し、有無を言わせぬスケール感、純粋さも加わり、極めて長い余韻の無敵のワインの様相。
サンジュリアン村からは2シャトーを選別。「グリュオ・ラローズ」のラベルには、“王のワイン、ワインの王=Le Vin des Rois Le Roi des Vins”と記されていますが、このシャトーのワインは威厳というより親しみやすさを感じる、言わば民衆の王という風情です。球体かつ肉厚で大地のニュアンスを持ち、するすると喉を通り抜けるフィネスに溢れた魅力的なネクター。2000年はこのヴィンテージ故か親しみに加えて威厳と品格をも感じさせる出来となりました。本日のトリは「デュクリュ・ボーカイユ」。その美しく気高く優雅で洗練されたワインは、まさにサン・ジュリアンの最良のスタイル。キラキラ輝く煌びやかなミネラルと清冽な酸味が、その優雅さの源泉です。それを生み出すのは類まれな、うず高く堆積している白い砂利を大量に含んだテロワール。究極的に洗練された美しいワインを飲みたい方がたどり着くワイン、それがこのワインでしょう。2000年はダイヤモンドのような輝きを備えながら華美にならず、日本人なら分かる引き算の美学を有した稀有の出来です。
ボルドー・ラヴァーならずとも、ワインに魅了された方ならぜひ味わって頂きたいワイン達。ぜひこの素晴らしい2000年の衝撃を、ご自身の感性でご堪能ください。皆様のご参加をお待ちしています。
~1999年 各村選抜グランクリュ対決~
【神々が宿るコート・ドール その四半世紀の時の流れを振り返る】
1999 Mazoyere Chambertin(P.Minot)
1999 マゾワイエール・シャンベルタン(ペロ・ミノ)
1999 Clos de la Roche(Lecheneaut)
1999 クロ・ド・ラ・ロッシュ(レシュノー)
1999 Bonne Mares(R.Groffier)
1999 ボンヌ・マール(ロベール・グロフィエ)
1999 Clos Vougeot Le Grand Maupertui(A.Gros)
1999 クロ・ド・ヴージョ・グラン・モーペルテュイ(アンヌ・グロ)
1999 Grands Echezeaux(F.Lamarche)
1999 グラン・ゼシュゾー(フランソワ・ラマルシュ)
1999 Corton Bressandes(P.F.de.Merode)
1999 コルトン・ブレサンド(プランス・フローラン・ド・メロード)
ジュヴレ・シャンベルタン村からペロ・ミノのマゾワイエール・シャンベルタン。家族4代にわたって続くドメーヌで、1993年に現当主のクリストフがドメーヌを引き継いだ際にワイン造りを大幅に変更し、ワインスペクテイターなどの評価もうなぎのぼりに上がっている大注目生産者です。
次はモレ・サン・ドニ村からレシュノーのクロ・ド・ラ・ロッシュ。テロワール独特の豊かさを守り、伝統を尊重した自然農法を実践する、ロバート・パーカーが最高評価5つ星を付ける生産者です。年間わずか500本程しか生産されない稀少なワイン。
シャンボール・ミュジニー村からはロベール・グロフィエのボンヌ マール 。この村の名手の僅かな生産量の特級畑から生み出される、力強さとフレッシュ感を兼備した別格の出来栄えです。ブラックベリーやダークチェリーなど、黒系果実のニュアンスを強く感じさせながらも、柔らかなタンニンと、なめらかな舌触りを持つ魅惑のワインです。
ヴージョ村からはアンヌ・グロのクロ・ド・ヴージョ・グラン・モーペルテュイ。グラン・エシェゾーのすぐ近く、わずか0.93haの区画と100年を超える樹齢の古樹から生まれるワインです。フランソワ・グロの一人娘であるアンヌは、1988年に父のドメーヌを引き継ぐことになり、現在ではブルゴーニュ屈指の女性醸造家との名声を得ています。ピュアな果実味で、エレガンスを体現したかのような滑らかなワインを生み出します。
ヴォーヌ・ロマネ村からは、フランソワ・ラマルシュのグラン・エシェゾー。現在はフランソワの娘で5代目になるニコルが引き継ぎ、有機栽培を取り入れ、品質が驚くほど向上しています。ドメーヌ名もニコル・ラマルシュに変更。今回のワインは父親フランソワの代のもの。
アロース・コルトン村からは、プランス・フローラン・ド・メロードのコルトン・ブレサンド。2009年よりロマネコンティ社に畑を貸し出し、コルトンがリリースされています。話題騒然の入手困難ワインとの評判。コルトンらしいスケール感と旨味たっぷりの豊潤な味わいです。
ブルゴーニュ・ラヴァーならぜひ味わって頂きたいワインです。ぜひこの素晴らしいブルゴーニュワインをご堪能くださいませ。皆様のご参加をお待ちしています。
~新潟産網獲り真鴨と世界の極上ワインが織りなすマリアージュ~
ジビエを至高のワインと愉しむ
2013 Grange(Penfolds)
2013 グランジ(ペンフォールド)
2008 Unico(Vega Sicilia)
2008 ウニコ(ベガ・シシリア)
2006 Chambertin(P.Minot)
2006 シャンベルタン(ペロ・ミノ)
1999 Hermitage(J.L.Chave)
1999 エルミタージュ(ジャン・ルイ・シャーブ)
1989 Barolo Cerequio(R.Voerzio)
1989 バローロ・チェレクイオ(ロベルト・ヴォエルツィオ)
ジビエ=狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理
厳しい自然の中で育った真鴨。
力強い野生味と滋味深くも繊細な味わいと、血の風味と野生の香りが魅力ですよね。特にこの時期は脂が乗っており大変美味。その味わいに負けない為のサルミソースは、鴨の肉汁に内臓や血を合わせた濃厚な味わい。野生味溢れるジビエ料理には、並のワインでは風味に負けてしまう。かといって、単に力強さやタンニンが強ければ良いわけでもない。『しっかりとした骨格、鉄分、緻密なタンニン、複雑な味わい、熟成の風味』これらの要素を併せ持つ、真鴨料理にぴったりな世界の極上ワインを集めました。
オーストラリアを代表する『グランジ』。南オーストラリア全域に広がる自社畑や葡萄農家が育てた「異なる畑や地域からブドウを集めてブレンドし、最高のワインを造る」と言う独特の理念を当時より貫いております。セパージュは『シラーズ』をメインに少量のカベルネ・ソーヴィニョン。なんと、今回登場する2013年はパーカーポイント100点満点!!いきなりスーパーワインでの幕開けです。『ウニコ』は、スペインのトップワイナリー、ベガシシリアが作り出す同国ワインの至宝。かつては荒地だった土地、リベラ・デル・ドゥエロをスペインの高級ワイン産地へと引き上げた立役者です。700~900mと言う標高と気温差という過酷な環境によって、力強さとエレガンスを兼ね備えた素晴らしいワイン。『テンブラリーニュ』とカベルネ・ソーヴィニョンという唯一無二の味わいです。フランスからはブルゴーニュワインの王様と称えられるグランクリュ『シャンベルタン』。ジビエに合わせる『ピノ・ノワール』といったら真っ先に浮かぶワインと言っても過言ではございませんよね。モレサンドニに本拠に置く、いまやブルゴーニュのスーパースター、ペロ・ミノの登場です。2000年代に入り、以前の様な過度な抽出のスタイルから、アンリジャイエ譲りの自然なスタイルになり、近年益々素晴らしいワインを作っております。こちらも、フランスより参戦の『エルミタージュ』。エルミタージュの魔術師とも言われる、ジャン・ルイシャーヴが作る究極のローヌワイン。所有する畑の6~7区画ごとのテロワールを活かし、それらをアッサンブラージュした『シラー』100%で作られるワインは、まさにエレガントの極み。かつては『グランジ・ハーミテージ』の名でリリースされていた、『グランジ』との比較も非常に興味をそそられます。イタリアからは、品質への徹底した追求からバローロNo.1の栽培家と呼ばれる、ロベルト・ヴォエルツィオのワインは、シルキーで官能的。一本の樹から採れる総量の2/3房分のみ使用する、という徹底した収量制限から作られた珠玉の『バローロ』は飲み手に大きな感動を与えます。チェレクイオはバローロの歴史上でも最も偉大なる銘醸畑のひとつ。偉大なランゲの畑の中で最も美しい凝縮感を持つと言われた、『ネッビオーロ』で造られる究極の熟成バローロを是非味わってください。それぞれ違った個性を持つ極上のワインたち。
果たして今回のお料理にベストマッチは如何に?
~究極のネクターへ 50年の時を楽しむ~
【唯一無二!ドン・ペリニヨンの熟成マジック】
1998 Moet & Chandon Grand Vintage(Epernay)
1998モエ・シャンドン・グラン・ヴィンテージ(エペルネ)
2013 Dom Perignon(Epernay)
2013ドン・ペリニヨン(エペルネ)
2008 Dom Perignon(Epernay)
2008ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1996 Dom Perignon(Epernay)
1996ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1990 Dom Perignon(Epernay)
1990ドン・ペリニヨン(エペルネ)
1973 Dom Perignon(Epernay)
1973ドン・ペリニヨン(エペルネ)
シャンパーニュ地方のオーヴィレール修道院の修道僧、ドン・ピエール・ペリニヨン(1638-1715)の登場により、その歴史が始まったシャンパーニュ。フランスのブドウ栽培の北限にあるため、冬の寒さで発酵が止まり、春を迎え二時発酵が起こり、自然に炭酸ガスを含んだ泡立つワインが出来上がりました。当時樽で保存されていた泡立つワインを、ドン・ピエール・ペリニヨンは瓶詰めすることにより今のシャンパーニュの原形を生み出したのです。イギリスから丈夫な瓶を探し出し、スペイン製のコルクを調達し、黒ブドウから白い果汁を抽出し、さまざまな畑のブドウを巧みにブレンドするなど、質の高いワインの製造も同時に行いました。瓶をあけた瞬間に吹き出る泡、当時では、もちろん今でさえロマンを感じさせるシャンパーニュが、すぐにヨーロッパの宮廷でもてはやされたのは想像に難くありません。
さて、本日はドン・ペリニヨンの50年の熟成の時を巡るヴァーティカル(垂直)テイスティングをお楽しみいただきますが、まずはその弟分とも言うべき、四半世紀の時を経たグラン・ヴィンテージの1998年からスタートします。その後に続くドン・ペリニヨンは全て当たり年のラインナップでお届け致します。
トップは2013年。ブルゴーニュのハズレ年はシャンパーニュの当たり年、それをそのまま体感させてくれます。シャンパーニュは酸味とミネラルが肝で、その骨格を形成します。距離的に近いブルゴーニュの温暖な年は、シャンパーニュでは酸味が弱く輪郭の緩い年になってしまいます。この年はラグジュアリーさをも感じられる、しなやかで柔らかく完全な調和が生まれた年。続く2008年は近年最高のヴィンテージで、まだまだ若々しく新鮮さを保っていますが、熟成のニュアンスも出始めています。膨大なミネラルと切れ味抜群の酸味、それを支える豊かな果実味が渾然一体となる、完全無欠の液体です。1996年は2008年に近いタイプながら、さらに12年熟成したことにより、完成に近づいています。高い熟度と膨大な酸味、ミネラルの、内向的ですが恐ろしく集中している緻密なヴィンテージ。品格の高さ、美しさでは並ぶものがありません。1990年は退廃的な魅力を含んだヴィンテージで、有無を言わせぬ迫力と肉厚でジューシーなスケール感がとてつもない。内向的な1996年に対して、外交的で溢れんばかりの魅力を感じさせる偉大な年で、誰をも美味しいと感じさせるパーフェクト・ヴィンテージ。1973年は70年代最高の3つのヴィンテージの一角で、すでに発泡は弱いですが、豊かな滋味と旨味に溢れ、身体に染み渡ります。静謐でありながら雄弁、無駄なものを省いた洗練された美しさ。そこはシャンパーニュの行き着く所、終着点です。この熟成の魔法を知ってこそのシャンパーニュ・ラヴァー。二度とできないラインナップです。
ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。
~シャンボール・ミュジニー・コンプリート~
【優美で可憐な魅惑のシャンボール!】
2006 Chambolle Musigny(Vogue)
2006 シャンボール・ミュジニー(ヴォギュエ)
2006 Chambolle Musigny(G.Roumier)
2006 シャンボール・ミュジニー(ジョルジュ・ルーミエ)
2009 Chambolle Musigny Les Fousselottes(G.Pansiot)
2009 シャンボール・ミュジニー・レ・フスロット(ジャンテ・パンショ)
2007 Chambolle Musigny Les Baudes(G.Barthod)
2007 シャンボール・ミュジニー・レ・ボード(ジスレーヌ・バルトー)
2005 Chambolle Musigny Aux Beaux Bruns(D.Mortet)
2005 シャンボール・ミュジニー・オー・ボー・ブラン(ドニ・モルテ)
2000 Chambolle Musigny La Combe d`Orveaux Vieille Vignes (P.Milot))
2000 シャンボール・ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォー・ヴィエーユ・ヴィーニュ(ペロ・ミノ)
2007 Chambolle Musigny Les Amoureuse(R.Groffier)
2007 シャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズ(ロベール・グロフィエ)
2006 Musigny(J.Drouhin)
2006 ミュジニー(ジョセフ・ドルーアン)
まずは、2006年の村名2種を、ヴォギュエとルーミエというシャンボールマニア垂涎の2大生産者で飲み比べ。この年は果実味豊かで現在飲み頃に入っている、ブルゴーニュらしい素晴らしいヴィンテージです。同時に飲み比べると、シャンボールの特徴と造り手の個性が浮き彫りになります。
続いてプルミエ・クリュが5つ並びます。「レ・フスロット」は、村の集落のすぐ下に位置する比較的肥沃な土壌で、できるワインもシャンボールらしい繊細さとボディの厚みのあるスタイル。ジャンテ・パンショはジュブレ村に3代続くドメーヌで、豊潤な2009年のヴィンテージの恩恵も受け、旨味ののったスケールの大きな味わい。
「レ・ボード」は現在この村を代表する生産者と言っても過言ではないジスレーヌ・バルトーの作で、9つのプルミエ・クリュの畑を有している、この村のスペシャリスト。ブルゴーニュ屈指の女性醸造家としても有名です。この畑はボンヌ・マールに向かい合う位置にあり、この村のワインとしては力強く厚みのあるタイプになります。
「オー・ボー・ブラン」は赤土の混ざった肥沃な土壌で、シャンボールらしい繊細さと豊かさを併せ持つ畑。生産者は2007年に亡くなった先代の故ドニ・モルテで、シャンボール村に唯一所有している畑です。そのゴージャスで重量感のある造りには熱狂的なファンが多数いて、当時はカルト的な人気を誇っていました。本日は2005年のビックヴィンテージをご用意しています。
「ラ・コンブ・ドルヴォー」はグラン・クリュのミュジニー、クロ・ヴージョ、エシェゾーに隣接したこの村きってのプルミエ・クリュ。標高の高さゆえ、ミネラリーで洗練された、シャンボールのイメージ通りのワインができます。畑の大半はプルミエ・クリュですが、一部はグラン・クリュと村名格に別れています。徹底的な選果と発酵前の低温浸漬というアンリ・ジャイエから忠実に引き継いだ技法で造られたこのワインは、23年間を経過し、充分な飲み頃に入っています。
「レ・ザムルーズ」はブルゴーニュ随一の人気の畑で、かつ最もグラン・クリュに近いと言われています。その価格はボンヌ・マール以上で、多くのドメーヌでは試飲順もボンヌ・マールの後に出てきます。畑はミュジニーの真下に広がり、斜面の傾斜が穏やかなため、ミュジニーより柔らかくしなやかで、究極のシャンボール的華やかな味わい。本日のワイン会のタイトル“優美で可憐な魅惑的”がそのまま表現されています。ロベール・グロフィエはこの畑最大の所有者であり、畑の位置も斜面上部の最良区画です。除梗はヴィンテージにより変え、発酵温度をギリギリまで高くするのがこのドメーヌの流儀。濃密で艶のある造りで、クラシックなスタイルの2007年産。
「ミュジニー」は数あるブルゴーニュのグラン・クリュの最高峰の一つで、その別格の煌めきは宝石に例えられます。歴史も古く、1110年にシトー派の修道僧が開墾したもの。巷でよく言われる“ビロードの手袋をした鋼の拳”という表現がありますが、これは並外れたミネラルと鋭利な刃物を思わせる酸味からきていると思います。そこに豊かな果実味と、極限まで昇華した魅惑的な香り、内面的な美しさ、輝きが一体化し、どこにもない唯一無二の魅力がブルゴーニュファンを虜にします。造り手はドメーヌとネゴスを幅広く展開するジョセフ・ドルーアン。ブルゴーニュ好きはどうしても小規模ドメーヌを最上としますが、この造り手は侮れません。近年のドルーアンの造るミュジニーの圧倒的な価格の値上がりをみても、その評価は証明されています。どこまでも華やかでしなやか、美しく品格に溢れ、芯の強さもある、ドルーアンはそのようなワインを造り上げています。ぜひご期待を!そしてお見逃しなく。スタッフ一同、皆様のご参加をお待ちしています。
~ニュイ・サン・ジョルジュ村~
【グラン・クリュ不在の不思議な村】
2012 Nuits Saint Georges La Richemone Vignes Centenaires Cuvee Ultra(Perrot Minot)
2012 ニュイ・サン・ジョルジュ・ラ・リシュモーヌ・ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラ(ペロ・ミノ)
2011 Nuits Saint Georges Aux Murgers(S.Cathiard)
2011 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ミュルジュ(シルヴァン・カティアール)
2006 Nuits Saint Georges Les Chaignots(R.Chevillon)
2006 ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・シェニョ(ロベール・ シュヴィヨン)
1999 Nuits Saint Georges Aux Perdrix(Perdrix)
1999 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ペルドリ(ペルドリ)
1995 Nuits Saint Georges Aux Boudots(M.Camuzet)
1995 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ブドー(メオ・カミュゼ)
1985 Nuits Saint Georges Clos de l`Arlot(P.Misserey)
1985 ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・ド・ラルロ(ポール・ミセレ)
1985 Nuits Saint Georges Les Vaucrains(H.Gouges)
1985 ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ヴォークラン(アンリ・グージュ)
1976 Nuits Saint Georges Aux Murgers(Cathiard.Molinier)
1976 ニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ミュルジェ(カティアール・モリニエ)
まずは、2012年ペロ・ミノの「ラ・リシュモーヌ」・ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラ。1973年に現当主クリストフの父アンリがドメーヌを設立。アンリ・ジャイエから薫陶を受けた現当主クリストフにより、一躍トップドメーヌの一員となりました。リシュモーヌは、ニュイ・サン・ジョルジュ村の北側に位置する畑で、ヴォーヌ・ロマネの歴史にその名を残すペルナン・ロサンが、ペロ・ミノに託した伝説の畑です。ヴィーニュ・サントネール・キュヴェ・ウルトラは、1902年に植樹された区画から造られており、100年を超える古木から造られる、グラン・クリュ並の力強さ、優雅さ、余韻の長さを備えた素晴らしいワインです。
続く、2011年シルヴァン・カティアールの「オー・ミュルジュ」は、カルト的な人気を誇り、探してもでも飲むべき生産者と言われているドメーヌです。1930年代に祖父が設立し、1969年に父親が引継ぎ、2011年からは、現当主のセバスチャンが後を継ぎ、現在に至っています。1980年代から父のアンドレとともに働きはじめ、ドメーヌの品質をブルゴーニュの最上位レベルにまで引き上げました。畑はヴォーヌ・ロマネ側の緩い斜面にあり、ニュイ・サン・ジョルジュらしい深みや濃厚なニュアンスのある、ブルゴーニュの模範的な畑とされていています。
2006年ロベール・ シュヴィヨンの「レ・シェニョ」は、この村最良のドメーヌで、現在はロベールの二人の息子、ベルトランとドゥニが運営に当たっています。その実力はルソーやルーミエと肩を並べるほどで、偉大なドメーヌでありながら、価格は半額以下と、超お値打ちのドメーヌです。ヴォーヌ・ロマネ村側に位置する1級畑。
ここからは偉大なヴィンテージが続きます。1999年ドメーヌ・ペルドリの「オー・ペルドリ」は、アントナン・ロデの社長を努めていたベルトラン・ド・ヴィラールが1996年に設立しました。醸造家には、ジャック・プリュールなどを手がけ、フランスのワイン誌「ラ レヴュー ド ヴァン ド フランス」にて女性初の最優秀醸造家に輝くなど高い名声を誇る醸造家ナディーヌ・ギュブランを採用し、瞬く間にトップドメーヌの仲間入りを果たしました。ドメーヌと畑の名前でもあるペルドリは、エチケットにヤマウズラが描かれています。ペルドリはこの畑を99%所有している最大の所有者。
1995年メオ・カミュゼの「オー・ブドー」は、アンリ・ジャイエの薫陶を今に受け継ぐ名門ドメーヌです。1959年当時ジャン・メオは、ドメーヌの管理をするわけにはいかない状況にあり、畑を折半耕作の形で小作人に任せ、出来上がったワインは樽のまま売られていました。この時の小作人でドメーヌのワインを手がけていたのが、ブルゴーニュの神様、アンリ・ジャイエです。オー・ブドーはヴォーヌ・ロマネ村に隣接した畑で、華やかなアロマと肉付きの良いボディが魅力のワインです。
1985年ポール・ミセレの「クロ・ド・ラルロ」は、1859年に設立したワイン商で、ルイ・マックス社の傘下。フランス国内でも殆ど流通が無く日本への入荷は希少です。何といっても、このワインの凄いところは、あの有名なドメーヌ・ド・ラルロが単独所有している畑クロ・ド・ラルロの偉大な1985年を、ルイ・マックス社が秘蔵・所有していたところでしょうか。
1985年アンリ・グージュの「レ・ヴォークラン」の創始者アンリは、原産地呼称制度の発展に生涯をかけた人。1930年代までのブルゴーニュでは、フェイクワインが横行し、ローヌ産のワインまでもが高名な村名をまとったボトルに化けていました。ワインは樽で売買されるのが商慣行で、それから先の品質は良くも悪くもネゴシアン次第、そうした事態に対し悠然と立ち向かったのが、マルキ・ダンジェルヴィルやアンリ・グージュです。それにより自らワインを瓶詰めする、ドメーヌ元詰のワインが誕生しました。1級畑レ・ヴォークランは、ニュイ・サンジョルジュ村の中央に位置する畑で、肉付きの良い果実味と、レースのように滑らかな舌触りのタンニンが魅力の素晴らしいテロワール。
トリは、市場では滅多にお目にかかることのできないカリスマ醸造家としてその名を馳せた1976年カティアール・モリニエ「オー・ミュルジェ」です。カティアール・モリニエは、シルヴァン・カティアールの祖父アルフレッドが1930年に設立したドメーヌで、お爺ちゃんと孫が造った同じ畑の、35年の年月の軌跡を味わっていただきます。二度と無い機会です。どうぞお見逃しなく。スタッフ一同、皆様のご参加をお待ちしています。
定員 13名様 お一人様より承ります。
~ブルゴーニュ編1990年~
【20世紀偉大なヴィンテージ 1990年】
1990 Chassagne Montrachet Abbay de Morgeot(F.Larose)
1990シャサーニュ・モンラッシェ・アベイ・ド・モルジョ(ドメーヌ・フルーロ・ラローズ)
1990 Volnay Champans(M.d'Angerville)
1990ヴォルネー ・シャンパン(マルキ ダンジェルヴィル)
1990 Pommard Grand Epenots(F.Gaunoux)
1990ポマール・レ・グラン・ゼプノ(フランソワ・ゴヌー)
1990 Nuits Saint Georges Les Saint Julien(M.Chevillon)
1990ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・サン・ジョルジュ(ミッシェル・シュヴィヨン)
1990 Vosne Romanee Les Malconsorts(Clos Frantin)
1990ヴォーヌ・ロマネ・レ・マルコンソール(クロ・フランタン)
1990 Echezeaux(F.Lamarche)
1990エシェゾー(フランソワ・ラマルシュ )
1990 Chambolle Musigny(G.Roumier)
1990シャンボール・ミュジニー(ジョルジュ・ルーミエ)
1990 Bonne Mare(L.Jadot)
1990ボンヌ・マール(ルイ・ジャド )
9月第2弾は、南のシャサーニュ・モンラッシェ村から北上し、モレ・サン・ドニ村に辿り着くルートで攻めてみたいと思います。
まずはフルーロ・ラローズのシャサーニュ・モンラッシェ・アベイ・ド・モルジョから出発。現在は4代目当主のニコラ・フルーロと日本人の奥様・久美子さんが家族とともに運営しています。その住まいはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのオーナーがワイン貯蔵庫として建てた城館で、2018年9月9日には日本から皇太子殿下も訪問した名門です。1級畑「アベイ・ド・モルジョ」は、モンラッシェの南に位置する、シャサーニュ屈指の区画で、畑はシトー派の大修道院の周りを囲むように存在しています。
続くマルキ・ダンジェルヴィユは、約200年に渡りワイン造りを行っている老舗ドメーヌです。“偉大なワインはブドウの収量を制限した収穫から生まれる”という理念に基づき、1株につき6房のみの凝縮したブドウを栽培しています。「シャンパン」は石ころが多く、水捌けに優れ、ラズベリー、ダークチェリーなどの果実香のある口当たり柔らかでスムースな喉越し。シルキーなタッチはこれぞヴォルネイと言えます。
フランソワ・ゴヌーはアンリ・ゴヌーという優れたブドウ栽培家の一族から、1972年に相続により2つのドメーヌに分割されました。1つがムルソー村に本拠地を置くフランソワ・ゴヌーで、もう1つが古典的ワイン生産者として知られ、ポマールに本拠地を置くミシェル・ゴヌー。1級畑「レ・グラン・ゼプノ」は、ポマールらしい肉厚で筋肉質なアスリート体型。豊かな果実味と透明感のあるピュアな酸が奏でる、上質な余韻が魅力です。
ミシェル・シュヴィヨンは、1987年に父親のジョルジュからドメーヌを引き継いだ、名門シュヴィヨン一族で、有名なロベールの従兄弟です。畑はヴォーヌ・ロマネ側の村名畑名付き「オー・サン・ジュリアン」で、ニュイ・サン・ジョルジュの牧歌的で親しみやすく暖かい、そんなイメージ通りの味わいです。
クロ・フランタンは、1969年よりアルベール・ビショー社の傘下となり、特級畑を中心に合わせて13haの自社畑を所有しています。「レ・マルコンソール」はドメーヌ物で、ラ・ターシュの南に隣接し、ヴォーヌ・ロマネ最良の1級畑。豊かなボディと気品溢れる骨格、パワフルかつエレガントなバランスのよさ、豊かな果実の香りと調和のとれた長い余韻をもつ偉大なワインです。
フランソワ・ラマルシュは1740年から5代続く名門ドメーヌで、ロマネ・コンティとラ・ターシュの間に位置するモノポールの特級畑ラ・グラン・リュを単独所有するドメーヌとしても有名です。ラマルシュの「エシュゾー」は、異なる3区画のブドウをブレンドし、その異なる個性が合わさることにより、絶妙なバランスを表現した複雑味溢れるスタイルを有しています。
ジョルジュ・ルーミエは1924年創業で、この村に収まらずブルゴーニュ全体を代表するスーパー・ドメーヌです。1982年に参画し1992年に全てを任された現当主クリストフが、その評価を確立させました。本日ご用意した「シャンボール・ミュジニー」1990年は、父ジャン・マリとの共作。村名物とはいえ30年以上を経たルーミエのワインを飲む機会は貴重です。
本日のルートの最終地点はモレ・サン・ドニ村。ルイ・ジャドはブルゴーニュ屈指のドメーヌ兼ネゴシアンで、「ボンヌ・マール」はドメーヌを代表する特級畑です。モレ・サン・ドニ村とシャンボール・ミュジニー村にまたがる絶好の場所に位置する畑で、力強くしなやかで優しい、という両村の良さを兼ね備えたワインです。畑の名前は諸説ありますが、ルイ・ジャドの天才醸造家として名高いジャック・ラルディールによれば“妖精をあらわす古語”との事。まさに30年の眠りから目覚めたピノ・ノワールの妖精の、優雅で煌びやかで芯のある、豊かな果実味を味わって下さい。
ブルゴーニュを南から北へと巡る小旅行を楽しむ一日。それも至極の1990年物で。どうぞゆったりお楽しみください。
~ボルドー右岸編1990年~
【20世紀偉大なヴィンテージ 1990年】
1990 Vieux Chateau Certan(Pomerol)
1990 ヴィユー・シャトー・セルタン(ポムロール)
1990 Chateau L`Evangile(Pomerol)
1990 シャトー・レヴァンジル(ポムロール)
1990 Chateau Troplong Mondot(St.Emilion)
1990 シャトー・トロロン・モンド(サン・テミリオン)
1990 Chateau Tertre Roteboeuf(St.Emilion)
1990 シャトー・テルトル・ロートブッフ(サン・テミリオン)
1990 Chateau Beausejour Duffau Lagarrosse (St.Emilion)
1990 シャトー・ボーセジュール・デュフォー・ラガロース(サン・テミリオン)
1990 Chateau Figeac(St.Emilion)
1990 シャトー・フィジャック(サン・テミリオン)
1990 Chateau Ausone(St.Emilion)
1990 シャトー・オーゾンヌ(サン・テミリオン)
9月第1弾は、最もメルロ種が輝くボルドー右岸を巡る一日。
まずは「ヴィユー・シャトー・セルタン」から出発します。ポムロールで最も古いシャトーの1つで、ペトリュス、レヴァンジル、ラ・コンセイヤントと言った名だたるシャトーが集まるこの村の心臓部に位置しています。当主のアレクサンドルはティアンポン家の一族の一人で、ル・パンのジャック・ティアンポンとも従兄弟の関係。戦前はペトリュスよりも評価が高く、この村の最高峰に位置していました。アレクサンドルが継承した1986年以降完全復活し、かつての栄光を取り戻しています。90年は完全に飲み頃で、品格の高さが素晴らしい!
続く「シャトー・レヴァンジル」は、北をラ・コンセイヤント、ヴィユー・シャトー・セルタン、ペトリュス、南をシュヴァル・ブランに隣接する、ポムロールきってのテロワール。そして5大シャトー筆頭のラフィットを所有するドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドが1990年からオーナーになり、多額の投資と厳しい管理を実施したことですます品質が向上しています。スケールが大きく骨格のしっかりした凝縮したワインから、濃厚でまろやかでありながら品格ある優雅さと繊細さも感じさせるスタイルへと進化しています。90年は完全な成功を収めた完璧なワインです。
「シャトー・トロロン・モンド」は、2006年のサン・テミリオン格付け見直し時、第1特別級Bに昇格を果たしたシャトーです。クリスティーヌ・ヴァレットが父親からシャトーを受け継ぎ、亡くなった現在は後継者不在のため大手保険会社に売却。ヴァレット家はヴィユー・シャトー・セルタンのジョルジュ・ティエンポンから購入していて、その関連性も面白い。PP99を獲得した伝説の1990年で評価を確立し、2000年代に入ってからも進化を続けています。「もう一度90年のような年が来れば良いと思っているが、残念ながらそうはいかない」と言わせた最高傑作。
シャトー・テルトル・ロートブッフは、サン・テミリオンの最上のパーセルとされる南西斜面に6ヘクタールを所有する小規模シャトーで、芸術と哲学を愛するフランソワ・ミジャヴィルが、1977年に義父から継承しています。オーガニック栽培で葡萄をギリギリまで完熟させ、発酵もコントロールせず35度に達するという、自然任せの昔の技法で造られたワインは、圧倒的なスケールと、同時に純粋さも併せ持っています。そして90年はこのシャトーの金字塔とも言える、凄みさえ感じさせる偉大な出来です。
「シャトー・ボーセジュール・デュフォー・ラガロース」は、サン・テミリオンの石灰岩のプラトー(台地)に位置する最高の立地で、1847年からデュフォー・ラガロース家が所有しています。単に「シャトー・ボーセジュール」と呼ばれることもあり、近年さらに評価を高めているサン・テミリオンで最も注目のシャトーです。もともとテロワールに優れていたとはいえ、それまでパッとしないワインばかりを造っていたこのシャトーが、90年に突然驚くべきワインを造り世界中を驚嘆させたのが、本日ご用意したワインです。時のロバート・パーカーに“現代の偉大なボルドーの伝説の1つ”と言わしめ、何度も100点を更新しています。その驚嘆すべき奇跡のワインが登場します。
「シャトー・フィジャック」は、迷走しているサン・テミリオンの格付け制度とは言え、2022年ついに念願の第1特別級Aに昇格しました。テロワールの素晴らしさは誰もが認めていて、それはシュヴァル・ブランがかつてフィジャックの畑の一部であった事で証明されています。シュヴァル・ブランより砂利質が多いため、砂利を好むカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が極めて高いことがフィジャックの味わいの決め手となっています。本来のテロワールの実力を発揮する前の時代のワインとはいえ、90年という最良の年の恩恵を受け、その魅力は十分に感じられる、気品に満ちた美しい味わいです。
トリを飾る「シャトー・オーゾンヌ」は、ボルドー8大シャトーに数えられ、いまやペトリュスを凌ぐ入手困難度と高評価を得るシャトーです。その理由の1つは畑の面積がわずか7haしか無いこと。これはシュヴァル・ブランのわずか5分の1、ペトリュスの3分の2という小ささです。サン・テミリオンのプラトーに位置し、ボルドー右岸最高のテロワールと言われているこのシャトーを、1997年に継承したアラン・ヴォーティエが完全に蘇らせました。世界中のワインで最も厳しく、内向的で知的、精神的な美しさを有するワインとなる以前の作とはいえ、やはり90年の圧倒的な美味しさを感じさせる素晴らしさ。退廃的なメルロとは真逆ですが、このシャトーがメルロの到達したもう一方の究極です。
この貴重なワインを体験できるのは、シノワのゲストの方の特権です。スタッフ一同ぜひご参加をお待ちしています。
~限りなくグランクリュ!コート・サン・ジャックの実力~
【極みの1級畑/ジュブレ・シャンベルタン村編】
2011 Gevrey Chambertin Les Cazetiers (O.Bernstein)
2011 ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カゼティエ(オリヴィエ・バーンスタイン)
2006 Gevrey Chambertin Clos St.Jacques (B.Clair)
2006 ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック(ブリュノ・クレール)
2005 Gevrey Chambertin Lavaux St.Jacques (D.Mortet)
2005 ジュヴレ・シャンベルタン・ ラヴォー・サン・ジャック(ドニ・モルテ)
2004 Gevrey Chambertin Lavaux St.Jacques (C.Dugat)
2004 ジュヴレ・シャンベルタン・ ラヴォー・サン・ジャック(クロード・デュガ)
2002 Gevrey Chambertin Clos St.Jacques (S.Esmonin)
2002 ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック(シルヴィ・エスモナン)
2000 Gevrey Chambertin Les Cazetiers (Serafin)
2000 ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カゼティエ(セラファン)
1999 Gevrey Chambertin Combe Aux Moines (Fourier)
1999 ジュヴレ・シャンベルタン・コンブ・オー・モワンヌ(フーリエ)
1996 Gevrey Chambertin Clos St.Jacques Vieille Vignes(Fourier)
1996 ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック ヴィエイユ・ヴィーニュ(フーリエ)
今回は「極みの1級畑/ジュヴレ・シャンベルタン編」と題し、村の北部に位置するコート・サン・ジャック(サン・ジャックの丘)に集中する、11ある1級畑の中の最良の4つの畑にフォーカスして、その実力を探ります。標高が高くラヴォー背斜谷の背後にあるため冷涼な風が吹き抜け、南〜東向き斜面のため日当たりが極めて良いという2つの要素がテロワールを形成します。豊かな果実味とクリアな酸味が高い次元で融合している、それがコート・サン・ジャックの本質です。
まずはアンリ・ジャイエの下で研修をした経歴を持つ、オリヴィエ・バーンスタインの「レ・カズティエ」からスタートします。最高の区画と樹齢の高いブドウの樹、特に1級畑と特級畑にフォーカスしたミクロ・ネゴスの最高峰。ブルゴーニュの新世代ネゴシアンとして、数多くのジャーナリストから高く評価されています。レ・カズティエは、日照に恵まれた畑で、エネルギッシュな果実味ときめ細かく濃厚なタンニンが前面に出た、力強く複雑味に満ちたスタイル。樹齢は60年から80年のものです。
続くブリュノ・クレールの「クロ・サン・ジャック」は、今はなきクレール・ダユを引き継ぎ、今日では大ドメーヌに発展した生産者。わずか5人の所有者しか存在せず、エレガントで繊細な、唯一無二の個性を有した畑です。特級畑を上回る評価を受けることも多い、グランクリュに最も近い卓越したテロワール。
ここからドニ・モルテとクロード・デュガの「ラヴォー・サン・ジャック」が続きます。この畑はクロ・サン・ジャックに隣接する南向き斜面で、ストラクチャーとエレガントな酸味が見事に調和し素晴らしいバランスのとれたワインになります。ドニ・モルテの当主のアルノー・モルテは、メオ・カミュゼとドメーヌ・ルフレーヴで研修し、13歳の頃からすでに父の手伝いをして働いていた生粋のブルギニヨン。クロード・デュガはカルト的人気を誇るトップドメーヌ。2005年は当たり年で2004年は涼しい年、この比較もお楽しみください。
そして2002年「クロ・サン・ジャック」は、女性ヴィニュロンとして名高いシルヴィ・エスモナン作。祖父はかつてクロ・サン・ジャックの畑の単独所有者であったムシュロン伯爵のもとで働いており、その際に畑の一部を購入したとの事。エスモナンの区画は最も北に位置し、有機農法で耕作され、低収量で、パートナーのドミニク・ローランの新樽で熟成されます。
そして「レ・カズティエ」はグランクリュのシャンベルタンやクロ・ド・ベーズより標高で50m以上高く、急斜面で東向き。きめ細かくエレガントで複雑という、洗練さと緻密さを兼ね備えた素晴らしい畑です。生産者はパーカー5ツ星で、この村屈指のスター・ドメーヌとなったセラファン。父のクリスチャンの時代に発展し、今は娘のカリーヌと姪フレデリックが2人で運営しています。ブリュノ・クレール曰く、「クロ・サン・ジャック」と「カズティエ」を並べて試飲するのは、殊の外興味深いとの言。お楽しみください。
トリは、ブルゴーニュで最も入手困難な超人気生産者、フーリエの1999年「コンブ・オー・モワンヌ」と1996年「クロ・サン・ジャック」です。1928年に植樹した「コンブ・オー・モワンヌ」と、1910年に植樹したクロ・サン・ジャックはどちらも超ヴィエイユ・ヴィーニュ。その高い樹齢のためブドウは豆粒ほどの実しかつけないとのこと。当主のジャン・マリーはアンリ・ジャイエで修行後、1994年にドメーヌを引き継ぎ、一代でこのドメーヌをブルゴーニュ最良へと育て上げました。ヴィンテージは最高、畑も最高、造り手は超一流、さらに長期熟成も経て、皆様の前にお届けいたします。
ジュヴレ・シャンベルタン村の極みの1級畑の魅力をたっぷり堪能できる一日。スタッフ一同ぜひご参加をお待ちしています。